暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
アゲインスト
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う。しかし特筆すべきはそこではない───
その……色の多さ。
その三色というのは、赤、青、黄色の三色である。
わあー、綺麗などと、一瞬の現実逃避。
閑話休題。
そう、重大なのは本当にそこではない。まず三色のうちの赤は、炎系ブレス。青は氷系ブレス。黄色は雷系ブレスのことだ。炎系以外は皆、状態異常を引き起こす可能性が満載だ。唯一といって言い、状態異常を引き起こさない炎系ブレスでも、数多くあるブレス攻撃の中でも一番攻撃力が高いのだ。油断は決してできない。
ズザーッと急制動をかけながら、再びの轟音。そして、今までいた場所にドスリと王の致死の鎌が突き刺さった。
………あれ?
「な、なんで防がないの?」
そうなのだ。なぜあれほどの武器を持っていて、あの一撃を防がないのだろうか。
あたしのその問いに、少年は緊張をたたえた面持ちで言う。
「僕のワイヤーは防御には向かないんだよ!………っと!!」
再びの急リターン。体に仮想のGがかかり、背後でズゥン!というもはや何の音かも解からない音が轟く。
その振動で気付く。
いくら鋭すぎるレンのワイヤーとは言っても、基本的には鉄製の糸ということに変わりはない。確かにあれで防御は難しいだろう。
「調子に………乗るなぁッ!!」
レンが吠え、あたしを担ぐために塞がれている右手の代わりに、左手を振るった。
空中に凶刃が展開され、迫り来る巨大な鎌の攻撃範囲に交差する。
ザクンッ!
あたしの耳が捉えたのは、鎌が両断される小気味良い音でもなく、かといって装甲に弾かれるような金属の悲鳴でもない、要するにその中間辺りの曖昧なサウンドエフェクトだった。
レンのワイヤーは、虫の王の鎌に深い斬り込みを入れたが、そこまで。決定打には至らない。
実際に虫のHPバーは、一割も減っていない。
対して、レンの消耗も激しい。
呼吸機能さえも仮想なこの世界だが、かと言って全く消耗しないと言うことはもちろんない。高速での戦闘行為、極度の緊張状態の継続は、精神を確実に蝕んでいく。
しかも、今はあたしという文字通りのお荷物を抱えているのだ。これで疲れない方がおかしい。
「……………………………リズねーちゃん」
そんな緊迫した状況のなか、少年はあたしの名を呼んだ。相変わらずの笑顔を浮かべたまま。
「何?」
「ちょっと降ろすよ。我慢してね」
「…………うん」
お荷物たるあたしに言える言葉はそれくらいだった。
限りなく優しくリズを降ろしたレンは、キッとこちらを見下ろす蟲の王を睨み付ける。
そして、すぅッ──っと目一杯に行きを吸い込み───
「────────
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