暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
アゲインスト
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る。
その音をBGMに、少年はもう一度言う。
転移結晶と、回復結晶を用意して、と。
「分かった」
あたしは素直に頷き、ポーチから鮮やかな青と赤の結晶を出して、メイスを構える。
そして前を向いたとき、それはちょうどその足を地に着けたときだった。
それを説明するのは、正直言ってかなり難しい。全体的としては幼虫だったときよりも二回りくらい大きくなっており、色はまったく違い、鋼のような黒色になっていた。
尻尾は幼虫のときから引き継ぎ、サソリの尾のようになっている。そして胴体はカブトムシのようになっており、翼っぽいものも見える。足は昆虫っぽく三対になっていて、一番前の足だけ、カマキリムシのような鎌になっている。
そして、肝心の顔は、はっきり言ってあまりにもごちゃ混ぜになりすぎていて解からない。端的に言えば、カブトムシとクワガタムシとカミキリムシを足して三で割ったら、こんな感じになんじゃねえの?みたいな感じだ。
もっともっとはっきり言うと、気持ち悪い。かなり……いや、ホントに気持ち悪い。
無駄に醜悪にカリチュアライズされてるし。
まあ、どれだけ見た目が強力でも、レンのワイヤーの前ではほぼ完全な無力だろう。
あれなら、そんじょそこらの武器や防具ならば、躊躇いもなく両断するだろう。
そう思って横を見ると、紅衣の少年の横顔は曇っていた。む〜っと唸ってさえもいる。
「ど……どうしたの?」
「うん………」
その頷き方も心なしか思い。
「こいつ、ちょっとヤバい。僕の識別スキルでも、データが見えない。強さ的にはたぶん……九十層クラス………」
「……………!?」
あたしの体が自然と強張る。その間にも、その虫はバッと羽を広げて二人の前に立ち塞がる。その頭上に新しくウインドウが浮かび上がる。【Blackload-parasite】、
それがそのイモムシだったものの名前だった。
それを眺めている間、もちろんイモムシ改め《ブラックロード・パラサイト》殿が止まるわけもなく、羽を振るってフワリとその巨体を浮かび上がらせる。
うわッ、やっぱり気持ち悪い。眼がないと思ってたら、顔の中心からにょろりと伸びているシャクトリムシのようなものに顔があった。うえぇ………。
そして、そのシャクトリムシの口元(?)がおもむろに輝き始めた。
「………………ッ!」
バンと言う轟音が響き、あたしの体から重力が唐突に消える。
レンに抱えられて跳び退かれた、と気付いたのは、かなり遅くなってからだ。
そして、数瞬前まであたし達がいた場所に三色の閃光が走った。
ぞくり、と背中に悪寒が走った。あれは恐らく、ブレス攻撃だろう。しかもその太さから言って、かなりの規模だろ
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