第一章 無印編
第十九話 『新たな始まり』
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えそこまで平気で行えるなんて…。安心して、シホさん。私達管理局は絶対にそのような事は行いませんから」
「そうですか。それを聞いて安心しました」
「…ところで何度か聞きましたが『抑止力』というのはなんですか?」
う、そっちか…。
私はそっち方面に関してはあまり理解していない節があるから…イリヤの知識を貸してもらおう。
それで眠っているだろうけど一応イリヤに一声かけておいて、
「抑止力というのは、普通に考えれば悪い状況をこれ以上進行させないための事ですよね?
でも私達の世界では大まかに二つに明確化されています。
一つは霊長の抑止力『アラヤ』。
そしてもう一つは世界の抑止力『ガイア』。
その二つに分類されます」
「世界、というのはよく分かりませんが、霊長…というのはつまり私達人類のことですか?」
「そう思ってくれて構いません。ガイアについては私も詳しくありませんからアラヤに付け加える形で説明します。
アラヤとは世界を滅ぼしてでも霊長を存続させる意思の力の事。
そしてガイアはその逆で霊長を滅ぼしてでも世界を守ろうとする意思の力の事をさします。
双方に違いは存在しますけど一つ共通する点は『霊長を滅ぼしえる可能性を持った因子』を排除するものです」
そこでクロノから質問があった。
「それじゃその滅びというのは起こそうとした本人を排除するというものなのか?」
「いい質問だけど、それはハズレ」
「それじゃ一体なにを滅ぼすというのですか…?」
「…その事象に関わったもの全てです」
リンディさんの質問にまどろっこしく言わずに本当の事を話した。
それと同時に艦長室が一気に静まりかえった。
それを聞いていたリンディさん、クロノ、エイミィさん、なのは、ユーノ、フィア…全員ものの見事に固まってしまった。
だけどここで一々止まっていてもしかたがないので話を続ける事にした。
「抑止力に善悪は関係ないんです。
ただ霊長を生き長らえさせる為にその原因に関わった者達…そしてまったく関係ないのにその原因に巻き込まれてしまった周囲の人間すらもすべて排除し消去されてしまう」
そう、だからアーチャー――英霊エミヤ――は意思を奪われ世界の忠実な駒にされて、理想も遂げられず無限の殺しをして磨耗したのだろう。
確かにあいつの言うとおり世界の掃除屋というのはピッタリの言葉かもしれない。
「そしてここが重要ですが、もしかしたらこの世界の数多の次元世界の滅びも抑止力に触れてしまって滅びたのかもしれません。
一つの星、世界自体を消す…これほど手っ取り早い手は他にありませんから」
「そう、ですね…シホさんの話がもし本当なら色々と辻褄はあいます」
「そうですね艦長…発達しすぎた文明は行き過ぎた結果という事象で滅びたと考えればあり
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ