我等の故郷!
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しただけだったのに。
“人間ではない”という理由で、桃源の里から追われた――――――――
そして、それからすぐに・・・・・・・・・・・
『妖狐伐倒だーー!!』
「!?」
そう叫んだ声が聞こえ、顔を上げると多くの軍勢が突撃してきました。
恐らく私の討伐でしょう。
雨のように矢が降り注ぎ、狐たちに当たって行きます。
「もうやめてください!もうあなたたちの前には来ませんから!だから!」
「妖狐の言葉など信じられるか!ここで大人しく散れい!」
「そんな・・・・・・・・・・・なら!」
炎天・氷天・密天
「ハァァァァァァァ!!」
ブワッ ボォォォ カキン グチャ
そうして、気がつけば8万の軍勢を一人残らず殺していた。
そしてその日から1週間
『オォォォォォォォォ!!!』
「また・・・・・・・・来たんですか」
今度こそ説得を――――――――――
私は動かず、ただ叫んでいた。
「お願いです!もうやめて!」
それでも、鏃は止まりません。
血まみれになりながら、それでも私は叫び続ける。
「騙す気はなかったんです!もう、もう立ち去るから忘れてください!」
それでも、追撃の手は止まず、人間たちの一方的な憎しみは消えなかった。
・・・・・・その中で、彼女は悟ったのだ。
なんて狭量な生き物。
なんて乱暴な憎しみ。
なんて思い上がった独善。
なんて、なんて―――――――――――――――――
なんて弱弱しくも愛おしい、限りある命たち。
人間は神を崇め、神の意識と同一する事によって神域に触れようとする。
だが、無駄なことなのだ。
そんな努力をしても、
どんなに力を尽くしても、
人は神になれないように、
“―――――――――――神が、人になれる筈がなかったのです”
そして、もうすぐ終わりがやってくる。
この傷では逃げられないし、逃げる気もない。
元々は、私が人間を理解できていなかったのがいけないのだから。
「流儀さん」
もう一度、あのころに戻りたい。
今度はきっと、大丈夫だから。
いつも、そばで笑っていたい。
あなたのすぐぞばで。
そんなことを、思ってしまいます。
流儀さん。
流儀さん。
流儀さん!
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