我等の故郷!
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そして朝―――――――――――――――――――――――
「何ですか、コレ・・・・・・・・」
私の頭には耳が、そしてお尻には尻尾がありました。
「狐の尻尾?」
それはどうみても狐と人間の融合。
「私は・・・・・・・・・・・・・・・・・人間じゃないんですか?」
恐れながら、震えながら、自分しかいない部屋で呟く。
「皆に知られたら、上皇様に知られたら私は・・・・・・・・」
誰にも見せられない。必死に、これは夢だと祈る。
「流儀さん・・・・・・・・」
何故か、流儀さんを呼んでいた。上皇様ではなく、流儀さんを。
「いえ、わかりきった事でした」
どんなに彼に女の人が居ても、そんなの関係ないくらい、あの人に仕えたい。あの人の側にいたい。
そう思っていた。
「でも、私はこんな姿に。」
どうしようもない。なってしまったものは仕方がない。
「っ・・・・・うっ・・・・・誰か、・・・・・・・・・・・・助けてくださいっ」
その後上皇様は病に倒れどのような医者が診ても原因不明。
今日は医者ではダメならと陰陽師のお方に来てもらっています。
私はコッソリと覗いています。
「ふむ。これは病気ではありませんな」
『『!?』』
「で、ではどうして!?」
臣下の一人が問う。
「それはあの狐です。確か玉藻でしたか。奴は狐精、そやつが上皇の生命力を吸い取っているのでしょう」
「な!?あのお方が!」
「そうでしょう?玉藻さん」
な!?ばれている!!
「くっ!」
私は一目散に逃げ出しました。
そうして、私は出来るだけ遠くまで行きました。
「ここは・・・・・」
那須野と書かれてある。
さらに奥へ進むと、広い荒野があった。
『お待ちしておりました』
ふと振り返ると、一匹の狐がいた。
するとそれを皮切りに
『お疲れ様でございました』
『さぞ苦労なされたでしょう』
と、沢山の狐が集まってきました。
そして、
キィィィィィン
と音が聞こえたら全てを思い出しました。
自分が神の表情の一つだったこと。人間に興味を持ったこと。それで記憶を消して転生した事。
“ああ―――――――――――――――私は、なんと愚かだったのでしょう”
集まった狐たちに慰められながら、玉藻の前は独白する。
人間に裏切られ、恐れられ、ここまで追い込まれた。
何も害は与えなかった。
ただ富を与えようと
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