第七話
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トリステインでは名を知らぬ者はいない程の有名人よ」
「へぇ、娘としては母ちゃんにどんな印象を持ってるんだ?」
「一言で言えば、教育ママって奴かしら。幼い頃からとにかく私を強くしようとスパルタ教育を強いられてきたわ。私には姉が二人いるんだけど、その二人がものの見事にインドア派だったり病弱だったりしたせいで、私がお母様の鬱憤を担う羽目になったのよ。今でこそ感謝しているけれど、初めの頃は苦痛だったわ」
「ルイズが系統魔法を使えないことに関して、何か言われたことは?」
「ないわ。あの人は良くも悪くも実直だったから、他人と違ったりした程度で実の娘を否定するような真似はしなかったわ。元々使えるものはなんでも使え、って主義はお母様譲りの精神だし、事あるごとに『ヴァリエールはトリステインにて最強』って口にする程、自分の強さに対して誇りを持っているストイックな人だもの。寧ろ杖先が魔法発動範囲に限定されない爆発魔法は、お母様にとって寧ろ嬉しかったんじゃないかしら」
「何そのヒ○シ様みたいな母ちゃん」
そんな他愛のない話をしていると、経験で培った感覚が不穏な空気を感じ取る。
「サイト、来るわよ」
途端、崖上から降り注ぐ無数の矢。
私は馬から素早く降り、危険な矢のみを爆発魔法で迎撃する。
サイトは馬に乗ったまま器用に矢をデルフで叩き落とす。
「うわぁ、何だね一体!?」
情けない声を上げるギーシュに、冷静にそんな無防備なギーシュを護るワルド。
「恐らく野盗か何かだろう。対メイジ武装をしている辺り、私達がここを通ることを予測されていた………?」
「地の利を制しているのも偶然とは思えないし、有り得ない話ではないわね」
「まぁ、何であれこのままにしておく訳にはいくまい。ルイズ、頼めるかい?」
「任されたわ」
私は爆発魔法で野盗達の足下を内部爆破する。
すると、魔法が発動したことに気付かない野盗達は、崩れゆく地面に対処できずにこちらに向かって転がり落ちてくる。
その反動で残らず野盗は気絶。なんともあっけない幕引きである。
「おいルイズ!崖が崩れてこっちまで危ない目に遭うだろ!」
「きちんと最小限の被害に留めるように調整しているわよ。まぁ、たまにずれるけど」
「いや、さらっと問題発言するなよ」
あーあーきこえなーい。
「ルイズ、彼らは物盗りだの一点張りだが、信じるかね?」
「愚問ねワルド。あんな計画性ある犯行を前にして、そんな世迷い言信じる訳ないでしょう?と、言うわけでヴァリエール式拷問術で洗いざらい吐かせてくるわ」
「あ、ああ。加減してやってくれよ、こっちの精神衛生上にもよろしくないんだから」
「善処するわ」
さーて、お楽しみのごーもんターイ
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