第七話
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。サモン・サーヴァントをすると風の噂で聞いた時は、始祖ブリミルの使い魔辺りでも召還しても不思議ではないだろうなと真面目に思っていたからね」
「………なんていうか、婚約者に向ける態度じゃない気がするんだけど」
「ルイズから聞いたのかい?いや、婚約者というのは語弊があるな、候補って奴だよ。何せ彼女の母親に勝たなければ成立しない関係だからね。かく言う僕も、昔から好敵手のような関係を続けていたのと、何年も離ればなれだったこともあり、昔に比べて愛情は薄れてきているな。どちらかと言えば、対等な仲間ないしは妹へ向ける感情が近いかな」
「………へぇ」
初対面から険悪になることはなかったらしく、これなら道中も問題なくやっていけそうだ。
二人がよろしくしている間に、ハブられているギーシュの下へ近寄る。
「ねぇ、姫様が来た際にワルドは側近として側にいたの?」
「あ、ああ。閃光のワルドと言えば、トリステインでも有名な風のスクウェアメイジだしね。とはいえ、本人を見たのは初めてだったから、君との接触でイメージが合致したんだけど」
つまり、私の夢はワルドと出会う予兆のようなものだったのだろう。
ぶっちゃけ嬉しくないけど、予兆の方がね。
好敵手との出会いという意味では、悪くはない。
だけど、今みたいに拳で語り合う余裕はもうないだろう。
「ともかく、そろそろ出陣しよう。この場に長く留まり、下手に注目を集めでもしたら敵わんからな」
「アンタがグリフォンでこっち来た時点でアウトだと思うんだ、私」
「………出陣する!」
コイツ、スルーしやがった。
私とサイトは同じ馬に跨り、険しい山道を闊歩している。
目指すのは浮遊大陸アルビオンに至るための船が止まる港町、ラ・ロシェール。
急ぎの旅だけどそれでも一日以上は掛かる道。
本来なら使い魔であるサイトが馬の手綱を握るべきなのだけれど、馬に慣れていないサイトに操らせるのは非効率的なので、私の後ろで大人しくさせている。
最初は同じ馬に乗るのを何故か頑なに抗議していたが、主を護る立場の従者が傍を離れるのは下策なので、こちらも頑なに却下させていただいた。
私の腰に手を回さないと振り落とされるというのに、どうにも未だにおっかなびっくりな手付きで腕との間に隙間が出来ている。
一体何でこんな非効率的な行動を取るんだろう。
「なぁ、ルイズ」
「何かしら」
「お前の母ちゃんって、どんな人なんだ?」
いきなり口火を切ったかと思えば、まさかの母親の話題である。
「そうねぇ………。とにかく強い人ね。肉体的にも、精神的にも。風のスクウェアメイジで、成り立てとはいえ同じ系統魔法とランクであるワルドとは雲泥の差の実力を持ち、若かりし頃に数々の功績を立て、
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