第百十七話 風間博士の狂気
[12/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「それなら私達ですぅ」
ここで名乗りを挙げたのはグリースだった。
「私とアーウィンさんが行きますね」
「えっ、あんたが!?」
リオはグリースを見て意外といった声をあげた。
「あんたが行くの!?」
「はい」
グリースはいつもの呑気な声でそのリオに答える。
「そのつもりですけれどお」
「アーウィンはいいとして」
彼女もアーウィンにはいロンガなかった。
「けれど。あんたはねえ」
「いや、いい」
しかしここでそのアーウィンが言うのだった。
「俺達で行こう」
「いいの?」
「こいつは頼りになる」
そのミーナを指差しての言葉だった。
「だからだ。一緒に行く」
「有り難うございますう」
ミーナの返答は相変わらず呑気そうなものであった。
「それじゃあ一緒に」
「ああ」
こうして二人が向かう。皆不安な顔でその二人を見送るのだった。
「大丈夫かね」
まずタスクが言った。
「あの二人で」
「そうね」
パットも不安そうである。
「ウィンはともかくミーナはねえ」
「けれどミーナあれで結構頭の回転早いし」
ミーナが言った。
「大丈夫でしょ」
「そうなの」
「多分ね」
ミーナの言葉は随分とアバウトなものだった。
「それはね」
「とにかくよ。賽は投げられたってわけだ」
ヘクトールは言った。
「ここは腹を据えて見ようぜ」
「そうだよね」
リョウトが彼の言葉に頷いた。
「このままね。それに」
「それに?」
「あの博士のこと、やっぱりね」
その博士のことを言うのだった。
「おかしいし」
そのことも言う。そうしてアーウィンとグリースが部屋を偵察する。そこで見たものは。
「・・・・・・まさかとは思いましたけれど」
彼等から報告を聞いたレフィーナは深刻な顔になって応えていた。
「本当だったとは」
「はい」
アーウィンが彼女に応えていた。
「ですが写真にある通りです」
「そうですね。これは紛れもない証拠です」
レフィーナもそれはわかった。
「そしてこの写真は」
「勿合成でも捏造でもありません」
リオがはっきりと答えた。
「そのままです。検証して下さってもいいです」
「はい。後でチェックはさせてもらいます」
それはしておかねばならないことだった。
「ですが」
「そうです、間違いありません」
リョウトが暗い声で述べてきた。
「博士は捕虜に対して」
「拷問だけではなかったのですか」
レフィーナもまた暗い顔になった。
「虐殺まで」
「そこまでとんでもない奴だとは思ってなかったですよ」
タスクは今博士を奴とまで呼んだ。
「まさかね」
「そうですね。これは」
「それで艦長」
レオナがレフィーナに問うてきた。
「どうされますか?」
「どうとは」
「博士の処遇です
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ