第百十七話 風間博士の狂気
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人が使うにしてはあまりに広い研究室に向かうと。
「!?」
「何だこれ」
まずはヘクトールとタスクがあるものを見つけた。それは。
「鞭だよな」
「ああ」
まず見つけたのはそれだった。
「しかも電気鞭だぜ」
「研究室にこんなのがあるのかよ」
「おかしいな」
ユウキがその鞭を見て言った。
「研究室にあるものじゃない」
「絶対にな」
「そうね」
リオもその鞭を見て顔を曇らせていた。
「それこそね。碌でもない」
「っていうとよ」
カーラも何時になく曇った顔になっていた。
「博士、まさか」
「待って」
しかしここでキョウトが皆に言ってきた。
「あそこに」
「あそこ!?」
「誰かいるよ」
こう言って研究室の奥にある部屋を指差したのだった。
「あそこに。あれ誰かな」
「誰って!?」
「ほら、あの人」
その部屋の扉は開いていた。そこから見える人影を指差しての言葉だった。
「あの人。誰だと思う?」
「!?あれは」
ジェスはその人影を見て目を鋭くさせた。
「間違いないな、あれは」
「そうね」
グリースが彼の言葉に頷く。
「風間博士ね」
「ああ」
「っていうとだ」
ヘクトールもその顔をいよいよ暗いものにさせた。
「まさかとは思うけれどよ」
「とりあえずよ」
パットが皆に言う。
「博士に気付かれないようにしてよ」
「ああ」
「中に入りましょう」
こう言って皆に研究室に入るように言うのだった。
「見つからないようにしてね」
「それだけれどよ」
しかしここでリッシュが言ってきた。
「この人数でそれは難しいだろ」
「そうよね」
セレインが彼の言葉に頷く。
「これだけ大勢いたらね。やっぱりね」
「何人かで潜り込む?」
マナミはこう提案してきた。
「ここは」
「じゃあ一体誰が行くの?」
アイシャはそのことをマナミに問うた。
「誰かが行くのはいいとして」
「じゃあ俺がよ」
最初に名乗り出たのはタスクだった。
「さっさっと行って見て来るからよ」
「タスクは駄目よ」
しかしそれにはレオナが反対したのだった。
「見つかるに決まってるじゃない」
「ちぇっ、確信かよ」
「じゃあ見つからないって絶対の自信があるの?」
「いいや」
実は彼にもそれはないのだった。
「やっぱりよ。それはよ」
「そうでしょ?見つかったら駄目なのよ」
「そうだな。見つかったら終わりだ」
ブラッドがレオナの今の言葉に頷く。
「それだけでな」
「俺達が処罰を受けるようになってしまう」
カーツは現実を述べた。
「そうなってしまっては本末転倒だ」
「行くとしたら二人か」
アークライトは冷静に述べた。
「その二人だが」
「誰がいいか」
エルリッヒも言う。
「冷静な者がいいと思うが」
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