第百十六話 ガルラ帝国総攻撃
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らったのだ」
「何と・・・・・・」
「あれだけの戦力を」
「何度も言うが不穏分子は不要だ」
彼はまた言うのだった。
「ロンド=ベルにぶつけて。そのうえでそうさせてもらったのだ」
「それではそのつもりで」
「この度の総攻撃は」
「残った者にはだ」
参謀達の言葉に応えずまた言うのだった。
「撤退を許すな」
「撤退を!?」
「それでは」
「死ねと言っておけ」
冷酷な笑みが顔にあった。
「撤退するならば容赦するな。撃て」
「友軍をですか」
「撃てと」
「何度も言うがあの者達は不穏分子だ」
またこのことを話した。
「不穏分子なぞ不要だ。死ねと伝えよ」
「そうですか。それでは」
「そのように」
「御前達もだ」
今度は自身の周りの参謀達に対して言ってきた。
「私に逆らえばああなる」
「死ぬ・・・・・・」
「そうだ。そして死ぬのは御前達自身だけではない」
言葉をさらに続ける。
「御前達の一族もだ。皆ああなるのだ」
「・・・・・・・・・」
誰もが今の言葉には何も言えなくなってしまった。
「わかればだ」
「は、はい」
「分際をわきまえよ」
次の言葉はこれであった。
「よいな。それぞれのな」
「わかりました」
「では全ての不穏分子がいなくなればだ」
彼の言葉は相変わらず平然としたものだった。
「撤退するぞ」
「撤退ですか」
「そうだ。下がる」
彼はまた言った。
「それでよいな」
「はい」
「それでは」
こんな話をしたうえで一切動かない彼等だった。シンクラインはそのまま戦局を見ていた。遂に帝国軍は消滅してしまった。そのうえで本陣は撤退したのだった。
「逃げた?」
「いや、撤退って言うべきか?」
ロンド=ベルの面々は今の彼等の動きを見てそれぞれ言った。
「だがとにかく戦いは終わった」
「ああ」
「俺達は勝ったんだ」
このことは間違いない現実だった。
「とりあえず戦闘の後始末をして」
「捕虜がいたら救出するか」
「だが。いるか?」
こうした言葉も出された。
「見たところどの機体にも脱出装置はなかった」
「そういえば」
皆このことにも気付いたのだった。
「そうしたものはなかった」
「どういうことだ?」
皆そのことに疑念を抱いた。
「普通はあるというのに」
「何故だ?」
「とにかくだ」
だがその中でブライトが言った。
「戦闘の後始末に取り掛かれ」
「はい」
「それじゃ今から」
「そのうえでだ」
彼はさらに指示を出し続ける。
「捕虜がいたら保護するのだ」
「わかりました」
「それでは」
こうして戦いが終わった。彼等はすぐに戦場の整理と捕虜の収容にあたった。そしてかなりの数の捕虜が保護されたが彼等はすぐに捕虜収容所に送られることになった。
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