第百十三話 四十年前の依頼
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「俺はちょっと」
「やっぱりわからなかったの?」
「今のクリスの言葉聞くまではさ」
また答えるのだった。
「ちょっとね」
「けれど今はわかるのね」
「ああ」
これは認めた。
「わかるよ。ちゃんとね」
「そう。だったらいいけれど」
とりあえず今の返事で安心するクリスだった。
「じゃあとにかくシュウさん」
「はい」
「これからですよね」
「はい、戻ります」
クリスに対して答える。
「皆さん」
「ああ」
「いよいよだな」
「そうです。いよいよです」
微笑んで彼等に述べてきた。
「元の世界に戻ります。それでは」
ネオ=グランゾンの身体を白い光が包みだす。そしてその光はすぐにロンド=ベル全体をも包み込んでしまいその中に消えるのだった。
「いよいよか」
「ええ、そうね」
「戻るのね」
皆こう言い合う。
「またあの世界に」
「さて、どうなってるかしら」
ルナが不意に言った。
「ドーレムはいなくなったけれど」
「ドーレムはね」
ミヅキがその言葉に応えてきた。
「確かにいなくなったわね。まずは一つね」
「けれどまだ天使とガルラ帝国がいるから」
それでも敵はいるのだった。
「あの連中も早く倒さないと」
「ええ、確かに」
「へっ、誰もいいぜ」
ここでエイジが威勢のいい声をあげる。
「どいつもこいつも出て来た端からぶっ潰してやるぜ」
「そうやっていつもこけてるじゃない」
またルナに突っ込まれる。
「何度同じこと言ってるのよ」
「うるせえ!」
そしていつもと同じパターンで言い返す。
「どうして手前はいつもよそうなんだよ!」
「いつもなのはあんたじゃない!」
これまたいつものパターンであった。
「何でそんなに馬鹿なのよ!」
「俺の何処が馬鹿だ!」
「いつもこうなのか」
ロジャーは二人の口喧嘩を見て周りに問うのだった。
「彼等は」
「ええ、まあ」
「他にもこうした面々がいますけれど」
皆も実に正直にロジャーに答える。
「ですからそんなに御気になさらずに」
「本当にいつものことですから」
「思っていたより賑やかな部隊のようだな」
ロジャーはそうした話も聞いて呟いた。
「どうやら」
「それでは宜しいですか?」
シュウが話が一段落したと見て一同に声をかける。
「行きますよ。元の世界へ」
「あ、ああ」
「それじゃあ」
こうして彼等は元の世界へ戻りロジャーにとっては新たな世界に向かうことになった。こうして彼等はパラダイムシティを後にしたのだった。
第百十三話完
2009・3・11
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