第百十二話 赤い果実
[11/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あの彼の」
「さて」
しかしアランはその問いには答えはしなかった。
「それはどうかな」
「答えるつもりはないか」
彼はそれを聞いても特に驚かなかった。
「やはりな」
「読んでいたのか」
「こうした時に話す人間はいない」
ロジャーはまた冷静に言葉を返した。
「それは常だからな」
「そうか。だからか」
「その通りだ。では私をどうしても農場には行かせないのか」
「帰ればそれでいい」
アランは言う。
「だが。進むのなら」
「わかった。それではだ」
「どうするの、ロジャー」
ドロシーはここでロジャーに対して問うてきた。
「帰るの?どうするの?」
「これは私に依頼された仕事だ」
ロジャーはまずドロシーにこう返した。
「私は依頼を引き受けた仕事は途中では絶対に投げ出さない」
「それじゃあ」
「そうだ。逃げるつもりはない」
彼は言い切った。
「決してな」
「それじゃあ闘うのね」
「そうだ」
そして完全に答えた。
「ここで。やらせてもらう」
「わかったわ。それじゃあ」
ドロシーは彼のその言葉に無表情で返すだけだった。
「そうしたらいいわ」
「君は安全な場所に掴まっていることだ」
こうドロシーに忠告した。
「揺れ動くと大変なことになるからな」
「その心配はないわ」
しかしドロシーはロジャーのその言葉に落ち着いたものだった。
「私はもうバランスを取ってるから」
「だからか」
「ええ。だから安心して」
またこう言うのだった。
「私のことはね」
「わかった。それではだ」
「おい、ロジャーさんよ!」
「無事か」
ここでロンド=ベルの面々が戦場に到着した。まずデュオとウーヒェイの声がした。
続いて彼等のガンダムが姿を現わす。他のガンダム達もいた。
「ロジャーさん、僕達も参戦します」
カトルが言う。マグアナック隊も一緒だ。他にはトロワとヒイロもいる。この五人が今戦場に出て来たのだった。
「さて。後はだ」
「そのマシンを倒すだけだな」
トロワとヒイロが述べる。彼等はそのままロジャーに合流しそのうえでアランのマシンを取り囲んだ。しかしそれでもアランは動じていなかった。
「数で来れば私を倒せると思っているのか?」
そのアランが彼等に対して言う。
「果たして」
「戦争は数だ」
ヒイロがその彼に告げた。
「そして質だ。御前はその二つで既に敗れている」
「私が敗れているというのか」
「何なら身体で教えてやろうか?」
既にデュオはデスサイズヘルカスタムのサイズを構えている。
「一撃でよ」
「いや、俺がやる」
ウーヒェイも前に出て来た。
「この男、剣呑な気配がする」
「そうですね。只者ではありませんね」
カトルもそれは感じ取っていた。
「何か。異様な」
「ここは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ