第百十一話 四十年前の記憶
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パクト!」
これが決め手になった。最後の攻撃を受けたシュバルツのマシンはあちこちから火を噴き爆発した。しかしシュバルツは爆発する直前にマシンから跳び出てそのまま何処かへと姿を消したのだった。
「四十年前だ」
彼は逃げ去る時も言った。
「四十年前のことを知るのだ。そして絶望を味わうのだ」
こう言い残したうえで姿を消した。後に残ったのはロジャーとロンド=ベルの面々だけであった。
「戦いには勝利を収めることができたが」
「残念だったね」
万丈がシリウスに対して述べた。
「折角の有力な手懸かりを逃してしまったからね」
「四十年前に何かがあった」
シリウスも他の者もそれは察した。
「だが。それは一体何だ」
「それについても調べる必要があるようだな」
ロジャーは冷静に述べた。
「また。街の中を聞いて回るとするか」
「手懸かりはあるの?ロジャー」
「今のところはないが」
こうドロシーに返しはする。
「いや、待てよ」
「どうしたの?」
「あの時彼はトマトと言っていた」
不意に屋敷での話を思い出したのだった。
「トマトか。少し調べてみるか」
「手懸かりがあったのね」
「まだ手懸かりになるかどうかはわからない」
ドロシーに対して言葉を返した。
「しかし。そこから何か出て来る可能性はある」
「そうなの」
「ここは少しそこに行ってみよう」
少なくとも次の行く先は決まったようであった。
「明日にでもな」
「わかったわ。じゃあ今日はこれで終わりね」
「そういうことだ。今日は終わりだ」
既にビッグオーの戦闘態勢は解かれていた。戦闘は終わりだった。
戦いが終わるとロジャーは今街にいるロンド=ベルの面々に自宅に集まってもらった。そこはビル全体が家になっているのだった。
「へえ、凄い家だな」
「そうなの?」
エイジの言葉に斗牙がわかっていない声を出した。
「サンドマンのお城の方が」
「あんなとんでもねえ城と一緒にするな」
エイジはそんな斗牙に少し怒ったように返した。
「ったくよ、御前は何でそうなんだよ」
「そうなんだよって」
やはりわかっていない斗牙だった。
「何が?」
「だからよ。世間知らず過ぎるだろうが」
いい加減頭にきたエイジだった。
「ずっとあんな変てこな城の中で暮らしてきたにしろちっとは常識を身に着けやがれ」
「ちょっと、あんたが常識なんて言わないでよ」
ルナが斗牙を護るようにしてエイジの前に出て来た。
「少なくともあんたも常識は全然ないわよ」
「何っ!?俺がかよ」
「本当に全然ないじゃない」
じっとエイジを見据えて言う。
「っていうか頭斗牙より断然悪いじゃない」
「手前!今は頭は関係ねえだろうが!」
「あるわよ!」
いつものように喧嘩になってきた。
「あんたとシンも
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