第百十一話 四十年前の記憶
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言葉に眉を動かした。
「何時の間にだ。それは」
「覚えている筈だ」
しかしシュバルツはロジャーの言葉に答えはしない。
「それもまた」
「どういうことなのだ」
ロジャーにはわからないことだった。
「私が頼まれ。覚えているだと」
「だが。言っておく」
シュバルツはまた彼に言ってきた。
「それを知れば後悔することになる」
「後悔か」
その言葉がロジャーの脳裏に残る。
「そうだ。その四十年前の記憶」
「本当にそこにこだわるね」
万丈もシュバルツのこのことに気付いた。
「尋常じゃないまでにね」
「そこにある秘密を知れば貴様は後悔する」
「生憎だが私は後悔することを恐れてはいない」
しかしロジャーは言うのだった。
「何故なら」
「何故なら?」
「人は生きている中で必ず後悔を積み重ねていく」
こうシュバルツに言い返す。
「そしてそれを乗り越えて生きているものだからだ。だから私は後悔することを恐れてはいない」
「そう言うのか」
「何度でも言おう」
ビッグオーを動かしながらさらに言う。
「このことを。何度でもな」
「ならば。後悔するのだ」
シュバルツもまたロジャーに対して告げる。
「この街の謎を知り。そのうえで」
「行くぞシュバルツ」
ロジャーはさらにビッグオーを動かしシュバルツと戦闘に入った。
「少なくともここで貴様を倒す」
「来るのだロジャー=スミス」
シュバルツもそれを受けて立つ。
「この戦いをその後悔のはじまりとするのだ」
「言った筈だ。私は後悔を恐れてはいない」
この考えは変わらなかった。
「例え何があろうともだ」
この言葉と共に拳を繰り出す。シュバルツも攻撃を返す。ロジャーもまたその攻撃を受けてそこからあることに気付いたのだった。
「この攻撃は」
「似ているわ」
ドロシーも言う。
「このビッグオーに」
「そうだな。同じタイプのもののようだ」
攻撃を受けたうえで彼も言う。
「まさか。このビッグオーはこの世で一機の筈」
「その筈ね」
「だが。何故だ」
彼はシュバルツの攻撃を防ぎつつ考える。
「同じタイプがあるとするならば。何故だ」
「考えている暇はないわ、ロジャー」
しかしここでドロシーがまた彼に言う。
「敵の攻撃が」
「戦いの後で考えるとするか」
ロジャーもそちらに頭の中を切り替えた。
「それなら」
「ええ、そうした方がいいわ」
ドロシーも頷く。ロジャーはそれを受けてからあらためて攻撃に入る。攻撃を受けたシュバルツのマシンは後ろにのけぞる。ロジャーはそこにミサイルを叩き込みそのうえでさらに拳を入れた。しかしまだシュバルツは立っていた。
「ロジャー、まだ」
「わかっている。これで決める」
彼は続けてサドン=インパクトに入った。
「サドン=イン
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