第百九話 遥か久遠の彼方
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す」
シュウはそれは保証した。
「そしてそのマシンも」
「マシンも!?」
「そうです。彼はマシンを操ります」
「マシンを操るネゴシエイター!?」
皆今度はこのことに顔を顰めさせた。
「何!?それって」
「マシンで交渉って」
「何度も申し上げますがあの街は治安がよくありません」
シュウはまたこのことを話した。
「ですから。交渉が決裂した場合」
「そのマシンで犯罪者と闘うのね」
「何かなあ」
「そういう街なのです」
だがシュウは至極落ち着いたものだった。
「それもまた必要なことなのです」
「何かととんでもねえ街だな」
マサキもこう言うしかなかった。
「話を聞く限りじゃよ」
「そもそも交渉が決裂したらすぐに戦闘って」
「物騒だニャ」
シロとクロはこのことを問題にしていた。
「何か西部劇か武侠みたいだけれど」
「おいら達の今度行く場所はそんな所かよ」
「それだけではありませんよ」
しかしシュウはさらに言うのだった。
「あの街にはもう一つはっきりしたことがあります」
「何だ、それは」
サコンがそのことに問うた。
「その一つはっきりしていることは」
「あの街には記憶がありません」
彼は言うのだった。
「そう、記憶がないのです」
「記憶が!?」
「あの街は四十年前の記憶しかありません」
彼はさらに言う。
「そう、四十年前の記憶がないのですよ」
「四十年前の記憶がない!?」
「何だそりゃ」
皆またしても首を傾げることになった。
「そんなことあるのか!?」
「四十年前の記憶がないってよ」
皆そのことにさらに首を捻る。
「ってことは?」
「覚えているのは四十年だけ?」
「そうなのです」
シュウは首を捻るその彼等にまた話した。
「四十年前の一切の記憶がないのです。街に何があったのか、誰も知らないのです」
「理屈に合いませんね」
デメクサは珍しく真剣な顔になっていた。
「記憶は永遠に重ねられていくもの。それがないとは」
「しかも街にはご老人もおられる筈」
ティアンもいつもの破戒僧ぶりはなかった。
「四十を超えておられる。その方々も御存知ないのか」
「はい、誰もです」
シュウの返答は謎を深めさせるものだった。
「覚えていないのですよ。誰もね」
「やっぱり筋が通らないわね」
「そうね。しかも外からは普通の方法で入られなかったし」
シモーヌとベッキーも当然ながら疑問に思っていた。
「四十年前に何があったのか」
「その謎を解きたくなったわね」
「はい。それでは」
シュウはここぞとばかりにまた彼等に話した。
「宜しいですね」
「ああ、わかったさ」
「それじゃあまずは」
「何人か街に行ってもらおう」
大河が告げた。
「諸君、それでいいな」
「はい、それじ
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