第二十話
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よりもポイントを稼げるし、それに簡単には墜され無い。もし墜されたとしても今のポイントがあれば2度までなら全滅を喰らっても新しいSF/A-302を買いなおせる余裕がある。他のプレイヤーに差をつけるにはここで勝負するのもありだと思うんだ」
少し効率厨──オンラインゲームにおいて、ゲームを楽しむよりも効率的にプレイする事を優先するプレイヤーの事。多くのプレイヤーには少なからずその傾向があるが、度が過ぎると嫌われる。逆に効率を無視しすぎるマイペースなプレイヤーも同様に嫌われる。空気を読んで周囲とコミュニケーションが取れない人間はゲーム内といえども嫌われるのは当然だった──と呼ばれる傾向がある山田は強くSF/A-302への機種転換を勧めてくる。
「俺もSF/A-302への転換は悪くないと思うけど、問題は連携が取れるかだと思うよ。航宙機といえども戦闘機だし、モドキといえどもケッテだから機動力の向上は三番機の負担というか遊兵化が問題だからどうしても尾津さんの負担が大きくなる」
「だけど機動力が増すんだから、今まで以上に一撃離脱を主体にして戦えば尾津への負担も大きくならないはずだよ」
「それも一理あるけど、だけど格闘戦が主体になる場合も今までもあったわけだし」
防衛戦などは狭く設定された戦場で【敵性体】の突破を防ぐ為に、まずは一撃離脱をかけて相手の編隊を崩してから、突破を図る小型種を追い回して格闘戦に持ち込む場面が多くなる。
「状況に応じて俺が抜けて、山田君と尾津さんでロッテ(Rotte 2機編隊)を組む事も考えてみた方が良いかもな」
「ちょっと待ってくれ。何でそんな話になる!」
山田が慌てて少し声を荒げた。クールを気取っているがどちらかといえば情に篤いタイプだと柴田は知っている。
「別にチームを解散するとか言うわけじゃ──」
「大きな声で騒がないでくれる? 1人じゃなにも出来ないオカマちゃんトリオの愁嘆場なの? 気持ち悪いからやめてほしいんだけど」
「ネカマは黙ってろ!」
嫌味ったらしい女の声を山田の鋭い舌鉾が突き刺す。
第一、周囲に迷惑が掛かるほど大きな声を出していたわけでは無かった。
「わ、私はネカマなんかじゃないわよ!」
透けるような白い肌に、強い太陽の光の下なら光が反射して金髪に見えるだろう明るい茶髪で、少しエキゾチックな白人顔。DSWOでは嫌になるほどありふれすぎた美少女面で如何にもネカマ臭かった。
「ネカマはみんなそう言う」
今度は柴田が突っ込む。彼もこの声の主にはいい加減うんざりだった。
梅本雨音。トップクラスの実力を持ちゲーム内ではそこそこ有名なプレイヤーだが、柴田・山田・尾津チームと同じ部隊で出撃する機会が多く、3人の影に隠れて今ひとつ目立った活躍が出来ず、それを恨んでか何かと3人に絡むため辟易とし
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