暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-B星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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ルヴァロードは、永い旅路の中で授かったものだ」
「ルシリオン・・・さん・・・?」
「ああ。エリーゼ」
涙がポロポロ零れる。だってオーディ――ううん、ルシリオンさん、やっと本当の名前を告白できて、わたしに呼ばれて救われた、満ち足りたって顔してるんだもん。どうしてそんな嘘を吐いたのかは解らないけど、きっと何か大きな理由が在ったに違いない。
「ここからが私の中核を成す真実だ。嘘だと、ベルカを去る言い訳だと思われるかもしれないが、今から話すのは全て真実で事実だ」
「・・・・はい。話してください。わたし、納得したいので」
「私がベルカに残れない理由、君の想いに応えられない理由だ。我が手に携えしは確かなる幻想」
――夢語り――
ルシリオンさんがわたしの額に自分の額をコツンと当てると、急に瞼が重くなって閉じてしまう。意識が遠のくのが判る暗闇の中、「見せよう。私の真実を」という重々しい声が。
「私は――」
ルシリオンさんが語って、そして脳裏に浮かんだその当時の真実らしき映像。数千年前に起こった、数百の世界を巻き込んだ大戦。ラグナロク。“戦天使ヴァルキリー”。堕天使戦争。“堕天使エグリゴリ”。家族・恋人・戦友の死。不死と不治の呪い。解放される条件。“界律の守護神テスタメント”。契約。絶対の別離。
「・・ぅく、ひっく・・・ひっく・・っく・・・」
わたしが想像していた以上に壮絶な人生を歩んでいたルシリオンさん。恋人がいた事に少しばかり衝撃を受けたけど、そんなものが軽く打ち消されるようなルシリオンさんの人生に、わたしは泣くことしか出来なかった。わたしの見た大戦、そして堕天使戦争。そのどれもにルシリオンさんと親しい人たちが亡くなる映像が在った。
「――これが私の全てだ。どれだけその世界が恋しくて残りたくても残れないんだ。もう私の精神は限界が近い。今回のこの契約を逃すと、私はまず人間には戻れない。だから、すまない。エリーゼの想いには応えられない」
「ルシ、ひっく、リオン・・ぅ、さん・・・ぅく・・」
「衝撃が強すぎたよな。極力むごいモノは省いたんだが」
「いいえ・・。大丈夫、です・・・。でも、判りました。ルシリオンさんが去ってしまう理由。わたしの、一小娘の我が儘で引き止めちゃダメなんですよね・・・」
見送ることこそがルシリオンさんの為だと、心の中では解ってる。解ってるけど、でも・・・それでも「離れたくないよ・・・」ルシリオンさんの胸にもたれかかる。
「だって、こんなに好きなんだもん。やっぱりこれからもずっと一緒に・・・!」
「ありがとう。でも、すまない。・・・エリーゼは良い娘だから、私なんかより素晴らしい男性と必ず巡り合えるだろう」
「そんなの望みません! わたしが好き
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