暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-B星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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さんの距離がほとんどなくなった途端に、

「失礼するよ」

「ひゃっ!?」

肩と膝裏に腕を回されて横抱きに抱え上げられた。ま、まさかこのまま寝台の上に連れて行かれちゃうんですか!? わたし、心の準備が出来てませんっ! ドキドキしながら目を瞑って、寝台の上に寝かされるのを待っていたけど・・・あれ?
なかなか寝台のふんわりが来ない。薄目を開けると、「ちょっ、えっ!?」今まさにオーディンさんは窓枠に足を掛けて飛び出そうとしていた。

「ふぇ、ふえええええええええええええっ! (飛び降りたぁぁぁああああああああっ!?)」

浮遊感がわたしを襲う。思わずオーディンさんの首に両腕を回して、しっかり抱きつく。一瞬で地面が近づいたかと思えば、また一瞬で空高くまで急上昇するオーディンさん。見ればオーディンさんの背中からは蒼く光り輝く剣型の翼が12枚と展開されていた。

「エリーゼ、空を見てみろ」

「空、ですか・・・って、わぁ♪」

言われるまで全然気づかなかったけど、今夜は空気が澄んでいて、星が綺麗。あ、もしかしてオーディンさん。この星空をわたしに見せるためにわざわざ空を飛んでくれたのかな・・・? だとしたらすっごく嬉しい。片腕をオーディンさんから外して星の海が広がる夜天に伸ばす。

「空が近いです♪ 星が綺麗です♪ 感動・感激です? オーディンさんっ。わたし――」

「エリーゼ。私は今晩、ベルカを離れることになった」

「・・・・え?」

今、オーディンさんは何て言ったの? あれ? おかしいな。ベルカを去るって言った? 気の所為だよね。うん、だから「あはは、聞こえませんでした・・・」苦笑いする。オーディンさんは「ベルカを去るんだ」って聞き間違いじゃないことを示す、信じたくない言葉をもう一度言った。

「な・・んで・・・どう・・して・・・そんな、いきなり・・・?」

オーディンさんの顔を見上げる。わたしを見下ろすオーディンさんの顔と息がかかるほどに近くなった。息を呑む。でも・・・そんな寂しげな目で見ないでください。何も言えなくなっちゃうじゃないですか。

「私はずっと嘘を吐いていた。君と出逢ってから、ずっとだ」

「嘘・・・?」

「ああ、むしろ私の全てが嘘なんだよエリーゼ。嘘塗れだ、君に慕われる価値なんてない」

「どういうことですか・・・?」

「オーディン。この名前からして嘘だ」

耳を疑った。名前が嘘? なにそれ、そんな冗談、聞き入れられない。出るのは「はは、ははは」乾いた笑い声だけ。オーディン?さんがわたしから前へと目をやって「ルシリオン」そう呟いた。

「ルシリオン・セインテスト・アースガルド。それが、私の本当の名前だ。オーディンとは、私の遠い祖先の名前なんだ。フォン・シュゼ
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