暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-B星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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締め付けられた。不安一色っていう嫌な感じで。一気に熱が冷めて行って、すぐにでもオーディンさんの顔を見たいって衝動に駆られる。急いでコートの袖に腕を通して、前を獣の牙の形をしたホックで留める。そして「お待たせしました」扉を開けてオーディンさんを室内に招き入れた。アンナとの共同部屋だから寝台は2つ。鏡台も机も2つずつ。広さも申し分ない。オーディンさんと近付き過ぎてドキドキに殺されるなんて間抜けな事にはならない。

「エリーゼ」

「あ、はい。っと、ごめんなさい。立ち話もなんですから座ってください」

脚が1本の丸机と肘掛椅子へ近づこうとした時、「え・・・?」オーディンさんに腕を掴まれた。それだけでドキッとなる・・・はずだった、いつも通りなら。けど、今はオーディンさんの雰囲気でなんだか怖い。わたしは自分の不安を払拭したいために「オーディンさん・・・?」わたしの腕を掴むオーディンさんの手に自分の手を添えた。

「何かありましたか? 何でも言ってください。わたしに出来る事ならなんだってしますから」

俯いたオーディンさんはわたしの腕を放して、「すまない」そう一言。その謝罪は急に腕を掴んだことに対するものだって思ったから「お気になさらず」と言ったところで、「告白の返事をしに来たんだ」囁き程度だけど、でもしっかりと耳に届いた。ドクンと心臓が跳ねる。顔を上げたオーディンさんは儚げな笑みを浮かべていた。

「すまない。私はエリーゼの想いには応えられない」

「・・・・そう、ですか。でも諦めませんよ! わたし、諦めませんから! いつか必ず好きにさせて見せます! しつこいって思われても、わたし、オーディンさんのことが大好きだから!」

ある程度は予想できていた答え。だから取り乱すことはなかったけど、やっぱり泣きそう。だから強がってみた。わんわん泣いたら困らせちゃうって判っているから。足が震えるのを抑えられない。オーディンさんは「そこまで想われて、私は幸せだ」とはにかんだ。
それを見ると、まだ機会はあるって思える。時間は掛かるかもしれないけど、いつかきっと。決意を新たに、「オ、オーディンさんっ。い、一緒に、ね、ねねねね寝ませんか!?」早速攻めに転じよう。

(ベ、別にいかがわしい意味じゃなくて、ただ並んで寝ようと言う意味で!)

熱い! 自分で提案しておいてなんだけど、恥ずかしさで顔が大火事だ。オーディンさんを横目でチラッと見る。

(あれ? どうしてそんなに優しい笑顔なんですか・・・?)

照れはなくても(本当は照れてほしい)呆れとか困惑とかの表情になるって思ったんだけど。オーディンさんが「エリーゼ」とわたしの名前を呼びながら体を寄せて来た。心臓が早鐘を打つ。えっと、嬉しいんですけど・・・やっぱり照れちゃいます。わたしとオーディン
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