第一物語・後半-日来独立編-
第二十章 無意味な会議《3》
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量だが魔物が住みかい、自然を遮る壁がなければ魔物により被害が発生するだろう」
「確かに世界規模で創生区域の崩壊進行は解決しなければならない課題だろう。だが、それとこれとは別問題だ」
「それは違うと思うなあ」
笑みのニチアが加勢した。口を曲げ、笑みのまま。
社交院が言う別問題とは、今の状況とではだ。
日来の今後と創生区域の崩壊進行は一緒に考える必要は無い、と彼方は言っている。
だがそれは間違いだ。理解しているニチアが言う。
「だって他勢力群|《イレギュラー》に移住しても崩壊の進行はやっぱり問題になってくるでしょ? 私達が言う今後は未来に向けて進んでいるの。他勢力群に移住しちゃうと、自分達の身は自分で守れが普通。だから周りは手を貸してはくれない。
だけど、奥州四圏の人形ではなくてちゃんとした神州瑞穂の一地域として独立することで、奥州四圏は日来の存在を容易く無視出来ない。だから崩壊の問題は神州瑞穂の問題として掲げれば、奥州四圏も自身の問題として扱ってくれるかもだよね」
「しかしだ、仮に独立でき、一地域として立場を確立させたとして崩壊は神州瑞穂だけでは解決出来ない。争い合うこのご時世で国は自国中心に動き、他国を蹴落としている。奥州四圏があるからといって神州瑞穂の軍力は他国に比べて劣っている」
確かに、と飛豊は思う。
今この時代は他国を蹴落とし自国を向上させるのが普通。不可侵や協定を結んでいるものの、いづれ来る争いを遠くに伸ばしているだけに過ぎない。
こんな時代でも国は他国の貿易をしてはいるが、それは貿易というものをいざと言うときの交渉材料にするためだ。
創生区域の崩壊進行を人類は危険視しているものの、なかなか国との協力を得られず崩壊の恐怖が押し寄せているのが現実だ。
このまま国々は手を結ぶこと無く、崩壊が進行し続ければ限られた創生区域を巡って戦争の始まり、結局独立しても意味の無いものと化すだろう。
しかし、それでも独立しなければ日来はお仕舞いだ。
飛豊は喉を鳴らし、
「私達は国を相手に戦うわけではない。もし戦うとしても最悪地域との戦いに留めるようにする。話しは変わるが日来が独立し、世界を渡ればアマテラス系加護を信仰している唯一の地域とし、注目を集中することが出来る。まず世界を渡ることが出来る事態で危険視され、一気に世間に知れ渡る」
「それだけでは崩壊の解決にはならないだろう」
と、葉木原の言葉が途絶えたとき。建物の向こうから声が聞こえた。
聞き覚えがある女性の声。
会議場にいた皆は建物に顔を向け、建物内にいた黄森の隊員も屋上へと現れた。
隊員は長銃をこちらではなく、建物の向こう側に構えた。後からも隊員が増え、遅れて来た者は周辺の確認に移る。
何が起きたのかと、周囲は音を立て始めた。
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