第一物語・後半-日来独立編-
第二十章 無意味な会議《3》
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だから、ここでやるべきは優勢となりかけているのを止めること。
「すまないが同一視はしていない。何故なら呪いとは堕ちた神の悪行だからな。アマテラス系加護のアマテラスは堕ちてなどいない、つまりはまだ日来は生き続けられる」
「何故そう言い切れる」
葉木原の問いに、飛豊は答える。
「アマテラス系加護は流魔を生成することが出来る。解るか? 生成出来ると言うことは、万象宗譜|《トータルスコア》を信仰している私達にとって流魔は外部流魔の他にもアマテラス系加護により流魔を補給出来る。各国の批判は免れないが、日来の住民は無限に流魔を使い続けることが出来る」
「つまりはもしも戦いが行われたのならば、無限の流魔を味方に戦うと言うことか」
「防御系加護ならば長莵神社が提供してくれる。ベヒモス級戦闘艦に搭載されている主砲くらいまでなら防げる、それ以上のものなら重ねて発動すれば問題無い」
言葉を飛ばし、住民の意思を社交院ではなく会議へと向ける。まずこれで意思は会議の行方に集中し、社交院には集中しない。
戦いについては話した。
次に話すべきは今後の動き。
飛豊は頭に知識を置き、口を開く。
「今後の動きについて少し話そう。私達の場合の今後は奥州四圏から独立、その後には辰ノ大花に協力を仰ぐことに続く」
「辰ノ大花にだと……?」
葉木原の理解が一瞬遅れた。 自分が考えもしなかったことを言われたからだろう。
眉間にしわを寄せ、睨んでいるかのようだ。
周囲もこれには驚いたのか、先程までの空気とは一変しこちらに疑問の念を向ける。
……上手くはいったな。
社交院優勢になりつつあった空気が、自分の言葉によって取っ払われた。
持ち堪えたがこれからどうするか、が重要だ。
辰ノ大花に協力を仰ぐ理由。 もう葉木原は気付いているだろう。
眉間に寄っていたしわが更に深くなり、
「長が考えたことか」
「皆まで言わなくてもいいですよ」
「騒ぎを起こしたくないのはこちらも同じだよ」
社交領の建物のなかから、こちらを監視している黄森の隊員の視線を感じる。装備は一般的な長銃と短剣だろう。
下手な発言はすぐに捉えられ、長銃による発砲でそれまでだ。
社交院もそれを望んでいないのはこちらと一緒なようだ。
建物を横目で見てから、動きがないことを確認する。
「私達の場合の今後は、何を言っても結局は日来の独立が目的だ。だが、世界はそれさえも小さな出来事として変えてしまう。私達が恐れるべきは日来の今後ではなく創生区域の崩壊進行、それに伴う創生区域の消滅ではないのか?」
この声にアストローゼが言葉を重ねる。
「今現在、創生区域内で最も崩壊しかけているのは創生区域最北端の国、金剛石鯨露西亜|《アルマースキース・ロシア》だ。既に極寒の地には少
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