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七十五層ボス攻略
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「ゲツガ君!!上!!」

 ユキの叫びにすぐに上に向く。そこにあったのはゲツガに向けて突き落とされる尖った尾だった。

「チッ!!」

ゲツガは横に飛びそれを避ける。骨の足の関節の部分を掴み落ちるのは何とか免れた。素早く上がり、ユキの横に行く。

「サンキュー、ユキ。危なかったぜ」

「よかった無事で……」

 ユキは少し息を吐いて安堵したような表情になったあと、まじめな表情になる。

「でも、これじゃあ作戦が成功しないね。何か案がある?」

「特に今んとこは無い。だけど、この尻尾を崩すだけでも十分に攻撃のパターンが減る。こいつから潰すぞ。ユキ、援護頼む」

「分かってるよ。でも、無茶はだめだよ」

「OKだ。行くぞ!!」

 ゲツガは飛び出して先端の部分を叩き落す。そして背骨を走ってユキがその叩き落された尻尾にシールドバッシュを食らわした後、素早い連撃を繰り出す。尻尾が動き始め、攻撃しようとするのを見計らいユキは距離を取る。そして降り立ったゲツガは、その攻撃を弾く。このような連携が出来るのは、ユキとゲツガの呼吸が合ってるからなのかもしれない。

 ユキが連撃、ゲツガが必殺の一撃。攻撃の種類はまったく違うものの、合わさると物凄い一撃が生まれる。その攻撃に耐えられなくなった尻尾はひびが入り、割れた。

「よし!!ユキ!!半分にするぞ!!」

「了か……きゃあ!!」

 急に大きなゆれに襲われユキが背中から落ちる。

「クソ!!」

 ゲツガは素早く飛び出してユキを片腕でキャッチし、もう片方の腕を足に捕まった。

「ユキ、だから気を抜くなって言ったろ」

「ゴメン」

 そして素早く背中に戻る。

「終わらせようぜ、ユキ」

「分かった!」

 そしてゲツがとユキは背中を半分に落とすために攻撃を再開した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 その後、一時間にも及ぶ戦いが終わった。死闘の末、ようやくボスモンスターがその巨体を四散させた時、誰一人歓喜の声を上げる余裕のある者はいなかった。皆倒れこむように黒曜石のような床に倒れこむ、もしくは仰向けに転がって荒い息を繰り返していた。

「終わった……の?」

「ああ、終わった……」

 ユキの問いかけにゲツガは答える。ユキとゲツガはあの後、背中を切り落とすことに成功した。

 キリトとアスナは背中合わせに座り、動いていない。とりあえずクライン、エギルも死んでなかった。しかし、どう見ても入った時の人数と今いる人数が違う。ゲツガは誰でもいいという風に言った。

「何人やられたんだ?」

 クラインがウィンドウを開き、確認した。一応自分でも確認するため、ウィンドウを開く。

「九人死んだ…
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