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付いていけないほどの速度で走り抜ける。
俺のステータスは筋力6割の敏捷値4割だ。
別に敏捷値を振らなくても瞬動があるからいいのだが、敏捷値をあげると瞬動の速度もあがったため、一応振っている。
「うーしっ!
始めるわよ!」
俺はリズに付き合って街の共同鍛冶屋に来ている。
第一層でリズが鍛冶屋になるといったスキル上げのためだ。
周りには鍛冶屋になろうと思っている人たちが数人おり、ハンマーを打ち付けている。
この中でも女子はリズだけだ───まぁ外見的には俺も女子だが───
まずは迷宮区のダンジョンで拾ってきた鉄鋼石を炉に放り込む。
「まずはアルゴに頼まれた投剣ね」
とりあえず自分たちの武器のメンテナンスが出来る程度にはスキル値をあげておく必要があるだろう。
回収しなければ消耗品の投剣はスキル値あげにもってこいの代物だろう。
製作コストも安いし。
リズが十分に赤くなった鉄鋼石を炉から矢床(やっとこ)を使って金床(かなとこ)まで持ってくると作るものを指定し、ハンマーを振るう。
リズのハンマーを叩く音が響き出すと共同鍛冶屋にいた人たちが静まり返る。
それがここの暗黙のルールであるのだろうか。
規定回数振り終わると鉄鋼石が変形をしだし、NPCの売る投剣よりもまともな投剣が出来上がった。
「うん?」
俺が知る限りリズの鍛冶スキルの熟練度はNPCと同等のランクの物しか作れないはず…
「うーん…いまいち」
いや…リズさんや…?
十分いいと思うのですが…
「もしかして私が前、来たときよりもスキル値をあげてないとでも思ってたわけ?」
も、もしかして一人でここに来てスキル値あげてたり…
「あたりまえじゃない。
ユウ達が迷宮区に入ってる間、私暇なんだもん」
材料は…どこから…?
「それは…みんなさーん。
ありがとうございまーす」
リズは急に回りにいた人たちに声を張り上げる。
「いやいやこっちもいいものを見れたし、こっちこそ感謝しなきゃな」
数人の男たちが笑い出す。
「そうだ。そうだ。
こんな美少女の驚いた顔なんて見ることなんてもうないだろうからな」
まるで皆、いたずらが成功した子供のような顔をして笑っている。
「へ?」
俺はあまり状況がよく分からない。
「おっちゃんたちが鉄鋼石くれるからスキル上げがはかどったのよ。
アルゴも協力してくれたしね」
おっちゃんたちは気前がいいんだな…
今だってリズに向かってサムズアップや、ブイサインを出しているし。
*
リズside
私がここに来だしたのは1ヶ月前かな?
初めは怖かったからユウを護衛として連れてきたんだけど
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