第二十二話〜パラディン〜
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そこで初めてライは口を開く。
ライ「君の教導の目的と方法は正しい。」
なのは「え?」
ライの思いもよらない言葉になのはは呆けた顔をする。
ライ「だが、君は何故ティアナに言葉を与えなかった?何故、自分の考えを教え子である彼女たちに伝えなかった?」
なのは「それは――」
ライはなのはの教導が何を目標とし、そして何を目指しているのかは気付いていた。だがそれはなのはが行っている訓練を外側から見ていたから気付けていたこと。実際に受けていたメンバーは訓練の厳しさと内容に集中してしまい長期的な結果を分析することは難しかったとさえ言える。現にライもそれに気付くことができたのはつい最近なのだ。
ライ「態度だけでは伝わらないこともある。彼女のことを信じるのは君の勝手かもしれない。だが信じていたのなら何故先ほどは力でねじ伏せようとした?」
なのは「……」
ライは力ではなく言葉でなのはを追い込んでいく。
ライ「君の考えは僕にはわからない。だけど――」
ライが言葉を続けようとしたが、それよりも先になのはの感情が爆発した。
なのは「大切なものを失いそうになったこともない人に私の気持ちなんてわからない!!」
それを聞いてフェイトとヴィータは固まった。
ライ「……」
なのは「ハァハァ」
自分の感情を爆発させ、力任せに叫んだせいでなのはは肩で息をしながら俯いている。それを見つめているライは今までの強い言葉ではなく、どこか悲しみを込めた弱々しい声で呟く。
ライ「確かに僕は失うことを悲しむ資格なんてない……」
なのは「え?」
それはなのはにしか聞こえなかった。
その今までに聞いたことのない程の悲しみの感情が込められた言葉に反応し顔を上げるがそこに残っているのは緑の軌跡のみ。次の瞬間、なのはの意識は途切れた。
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