第百一話 空に浮かぶ城
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カに対して問うた。
「何かありますか?」
「あのレイヴンという者」
彼女はいぶかしむ顔でレイヴンを見ていた。
「果たして男なのか?」
「といいますと」
「妙な気配なのじゃ」
こう言うのである。
「どうもな」
「男の方ではないというのですか?」
「声は間違いない」
これは誰にもわかることであった。
「しかしのう。その気配は」
「気配ですか」
「あのエイジという者に似ておる。そして凛としておるが柔らかいものもある」
「柔らかいものもですか」
「おなごのようにな」
アスカはレイヴンをこう見ているのだった。
「妙なことじゃな。実に」
「姫様、それでは」
「あのレイヴンさんは」
「わらわの見間違いかも知れぬが」
さしものアスカも今度ばかりは己の目を疑ってもいた。
「若しや」
「むう、それはまた」
「おかしなことですね」
シャンアンとサンユンは誰よりもアスカの力を知っている。だからこそ彼女の言葉を疑うことはできなかったのであった。そして。
イーグルもまた彼女の力をよく知っていた。だからこそNSXの艦橋で考える顔になっていた。
「アスカさんのお考えですが」
「間違っていねえってんだな」
「イーグルはそう思うんだね」
「ですね。僕もアスカさんのお力は知っているつもりですし」
「そうだよな。だとするとな」
「あのレイヴンっていう人はね」
「何かあるかも知れませんね、やはり」
ロンド=ベルの中でもレイヴンとの素性について疑念が起こっていた。だがそれよりもまずは戦いであった。今城が大きく動こうとしていた。
「レイヴン」
「はい」
その渦中の人物であるレイヴンが今サンドマンの声に応えていた。
「グラヴィゴラス発進!」
「了解です。グラヴィゴラス発進!」
その言葉と共に城が大きく動いた。そうして城が大地から出、さらに巨大な艦影が姿を現わしたのであった。
「何っ、戦艦!?」
「本当に超巨大宇宙戦艦なのか!」
「これこそ我が城の真の姿」
サンドマンはその艦橋において言うのだった。
「超巨大宇宙戦艦グラヴィゴラスだ」
「何なのよ、またまた」
アスカはエヴァの中で呆然とした顔になっていた。
「世紀末の後で別の世界に出て来たと思ったら今度は変態紳士の乗る超巨大宇宙戦艦!?もういい加減滅茶苦茶もいいところじゃない」
「格好よ過ぎる・・・・・・」
しかしそのアスカの横でシンジはこんなことを言っていた。
「サンドマンさんって何処まで素敵なんだろう・・・・・・」
「あんた、あれの何処が格好いいのよ」
「凄いじゃない、ここで超巨大戦艦だよ」
二人の見方は完全に別のものになっていた。
「凄いよ、やっぱり」
「何処がよ。非常識極まりないじゃない」
「非常識って!?」
「何でお城が戦艦になるの
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