第九十九話 天使達の覚醒
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第九十九話 天使達の覚醒
アクエリオンはロンド=ベルに合流することになった。しかし騒動が終わったかというとこれでさらに複雑なものとなっていたのであった。
「二回目の合体」
シルヴィアはこのことを言っていた。
「はじめての時よりもずっと。何か」
「感じたのだな」
「ええ、お兄様」
シリウスの問いに対しても答える。
「まるでそのまま天国に行くように」
「そう。それはこの花のようなもの」
シリウスはここで花を見て言う。白百合だった。
「美しく可憐なもの」
「合体は」
「しかしだ」
だがここで顔を急に歪めさせるシリウスだった。
「あの男のそれはそうではない」
「そうよ、あれは」
「猛々しく凶暴だ」
忌々しげに語る。
「あんなものは正しい合体ではない」
「そうよ。絶対に」
シルヴィアも兄の言葉に頷く。
「あんなものは絶対に」
「私は認めない」
さらに言うシリウスだった。
「あの男がアポロニウスの生まれ変わりだと」
「そうよ、お兄様ことアポロニウスの生まれ変わりよ」
兄を見ての言葉である。
「絶対に。何があっても」
「シルヴィア」
だがここでシリウスは真面目な顔で妹に対して言ってきた。
「アポロニウスの話はあまり公に話さない方がいい」
「どうしてなの!?」
「これは。繊細な話だ」
だからだというのである。
「だからだ。外で話してはならない」
「だからなの」
「そうだ。慎んでくれ、いいな」
「わかったわ」
兄の言葉に静かに頷くシルヴィアだった。そしてそこにピエールが来るのだった。
「何か妙なことになっちまったな」
「ロンド=ベルに入ったことか」
「ああ。グレンの奴はとりあえず入院になったぜ」
グレンのことも話した。
「どうなるかはわからねえってさ」
「復帰できるかどうかはか」
「そういうことさ。それにしてもよ」
「どうした?」
「こんなややこしい状況なのに随分と澄ましてるな」
こうシリウスについて述べるのだった。
「こんな洒落にならない状況なのにな」
「事実を受け止めているだけだ」
シリウスは相変わらず冷静なままだった。
「ただそれだけだ」
「そうか」
「そうだ。ところで麗花はどうなった?」
「こっちに合流してるぜ」
こうシリウスに述べた。
「とりあえず肉体的には無事らしい」
「そうか」
「ああ。けれどな」
少し微妙な顔になるピエールだった。
「精神的なダメージってやつがな」
「それか」
「アクエリオンには乗れるらしいがな。それが心配らしい」
「わかった」
それを聴いてまた頷くシリウスだった。
「グレンがどうなるかもわからない。不安材料は残るが」
「それでもロンド=ベルに入ったんだな」
「何が何かわから
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