第九十九話 天使達の覚醒
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「あんた、まさか」
「見えています」
だがリーナは微笑んでアポロに答えた。
「心で。しっかりと」
「そうなのかよ」
「はい。そして貴方のことも」
今度はこう言うのだった。
「見えています」
「俺のことも?」
「貴方は獣です」
言葉はこうであった。
「聖なる獣です。まさに」
「俺が聖なる獣!?」
「はい。一万年と二千年の輪廻の鎖を断ち切る獣」
こう言うのである。
「それが貴方です」
「そのアポロニウスとかな」
その話もするアポロだった。
「俺にはわからないことばかりさ」
「はい」
「それでその聖なる獣だ」
彼はそのことについても言った。
「わからないことばかりだけれどよ」
「どうされたのですか?」
「戦わないといけないんだよな」
首を左右に捻りながらの言葉であった。
「やっぱりな」
「そうです。簡単に言えば」
「わかったさ」
リーナの言葉に頷くのだった。
「何かわからねえけれどな。あの天使達と戦うさ」
「天使達だけではありませんが」
だがリーナはまた言うのだった。
「麗花さんもようやく気を落ち着かせさせられましたし他の方々もおられます」
「他の奴等も!?」
「はい。皆さんで」
リーナはさらに言うのであった。
「この戦いの先にあるものを御覧になられて下さい」
「この戦いの先にあるもの」
「まだ私にも見えはしません」
その心の眼でもあった。
「ですがそこにあるものを」
「何かしらねえがわかったさ」
今はこう答えるアポロだった。
「俺は戦う。これでいいんだな」
「はい」
「ならいいさ。好きなようにやってやるさ」
何はともあれ彼も正式にロンド=ベルに加わるのだった。暫くして彼は隔離から放たれることになった。こうしてアクエリオンは本格的にこの果てしない戦いに加わったのだった。
第九十九話完
2008・12・16
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