第九十五話 神人、目覚める
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十九よ」
「もうすぐ三十じゃねえかよ」
まだ言うシンだった。殴られた部分をさすりながらも相変わらずの態度である。
「それでどうやっておばさんじゃないなんて言えるんだよ。二十超えりゃもうよ」
「こいつを一度しめておいていいか?」
「ええ、御願い」
ミサトが怒った声でエルフィに答える。
「念入りにね」
こう言うミサトであった。
「好きなようにしていいわ」
「わかった。それではな」
「御願いね」
こうしてエルフィ達に占められるシンだった。遥はとりあえず彼をスルーしてそのうえでまた綾人に対して説明するのであった。
「とにかくね」
「ええ」
「そういうことだから。時間の流れも全然違っているのよ」
「そうなんですか」
「そういうことよ。それはわかっていてね」
そしてこう綾人に話すのだった。
「こういうことはね」
「わかりました」
「宜しい。それでね」
さらに言う遥であった。
「今後のことだけれど」
「はい」
「今はね」
っこで微妙な微笑を彼に見せる遥だった。
「私達も迂闊に動けないのよ」
「動けないって!?」
遥は今の言葉に即座に問うた。
「何かあるんですか」
「それでね」
「ええ」
「貴方のその青い血のこともね」
「今は赤いですけれど」
検査の後だからこう言えた。これは間違いがなかった。
「けれど。なんですね」
「そうよ。とりあえず私達の作戦は中止よ」
これは仕方のないことだった。ガルラ帝国が出てはどうしようもない。
「それでね」
「ええ」
「君はとりあえず私達とは離れてもらうわ」
「離れる!?」
「色々とね。あるから」
この辺りは誤魔化した。
「とりあえずは私達TERRAの人間もね」
「TERRA!?」
「対ドーレムの組織です」
今度はテッサが彼に説明した。
「連邦政府の中にある組織の一つです」
「連邦政府のですか」
「それはわかるわよね」
「ええ、それは」
また遥に対して答える。
「わかりますけれど」
「それなら話が早いわ。そういうことだからね」
「とにかく。僕は色々と調べられるんですね」
「あの不思議なマシンのこともね」
「ラーゼフォン」
綾人は母の言葉をここで呟いた。
「そう言われました」
「ラーゼフォン!?」
「そうです」
遥に対して答える。
「そう言われました」
「そうなの。あのマシンはラーゼフォンというのね」
「それが名前ですか」
「まだ全然わからないですけれど」
綾人は困惑しきった顔で一同に述べた。
「とりあえずは。それしかないですね」
「そういうこと。結局はね」
「決して。悪いようにはしませんから」
遥とテッサが彼に告げる。こうして彼はまずはその身柄を確保されるのであった。
「そうか。遂に奏者がか」
「は
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