第九十二話 一対の獅子
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だった。
「おい弾児」
「何だ」
剣人が弾児に対して声をかけた。そのマシンを見て。
「あのマシンは何だ?」
「俺も聞きたいと思っていたところだ」
これが彼の返答だった。
「あのマシンが何かな」
「何だと思う?」
剣人は首を傾げながらまた弾児に対して尋ねた。
「あのマシンは」
「見たところライオンに近いか?」
全体的なシルエットを見ての言葉である。
「あれは」
「そうみたいだな。だが敵じゃないみたいだな」
「ああ」
二人がこう判断するだけの根拠もあった。それは。
「ベラリオスが吠えないな」
「全くな。それを見る限りはな」
「あいつ等は敵じゃない」
こう判断するのだった。
「どうやらな」
「そうだな。だが」
それでもであった。
「油断はできないぞ。わかってるな、剣人」
「勿論だ。おい」
彼は今度は通信を入れた。入れる先はもう一つしかなかった。
「あんた達、誰かいるか?」
「んっ!?地球の言葉か」
「間違いない」
するとここでそのマシンから声が返って来た。
「この声は」
「日本語だ」
「日本語!?あんた達何者だ?」
「俺は黄金旭」
名乗りと共に一人の少年がダルタニアスのモニターに出て来た。
「このゴライオンのパイロットだ」
「ゴライオン!?」
「何だそれは」
ゴライオンと聞いて顔を顰めさせる剣人と弾児だった。
「また何処からかのマシンか?」
「まさかとは思うが」
「そうさ、そのまさかだ」
「実はそうなんですよ」
「俺達は何とかガルラ帝国からここまで」
「このゴライオンで戦いながら辿り着いたってわけだ」
黄金と名乗った少年に続いて四人の少年がモニターに出て来た。見れば皆地球人、それもアジア系の顔をしていた。しかも話しているのは日本語である。
「俺は銀貴」
「錫石宏です」
「青銅強」
「黒銅勇」
「それがあんた達の名前なんだな」
「ああ、そうだ」
彼等を代表して黄金が名乗った。
「ガルラ帝国に捕まって奴隷にされていたんだ。だがさっき話した通り」
「やっとここまで来たってわけか」
「そうだ。だがダメージが大き過ぎた・・・・・・くっ」
「黄金さん!」
彼に咄嗟に声をかける美少女もモニターに出て来た。
「大丈夫ですか!?」
「んっ、あんたは」
「ファーラです」
その美少女も名乗るのだった。
「アルテアから来ました」
「アルテア!?」
「宇宙にある国の一つさ」
こう剣人に答える黄金だった。
「このゴライオンにあった」
「この人はその星のお姫様なんですよ」
錫石が剣人達に述べた。
「それで僕達にゴライオンを託してくれて」
「そうだったのか」
「はい、それでです」
「俺達はアルテアからここまで」
また銀が言う。
「逃れてこれたのもア
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