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万華鏡
第十七話 甲子園にてその十七
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当に」
 琴乃は腕を組みそうした顔になっていた。
「その辺りが」
「そうよね、本当に」
「だからこそ。ピッチャーもね」
「打ってもらわないとね」
「あの人はどうかしら」
 バッターボックスに入った彼を見てまた言う。
「果たしてね」
「フォームはいいよな」
 景子はボックスでの構えを見て言った。
「奇麗だよ」
「うん、確かにいいフォームよね」
 琴乃もその言葉に頷く。
「あの構えだと」
「問題は打ってくれるかどうかだけれど」
「打ってくれることを祈ろう」
 こう景子に返す。
「ここはね」
「ヒット出ればいいわね」
「そうよね」
 こうした話をしているうちに相手のピッチャーが投げた、ルーキーはそのボールをまともに打ち返した。ボールはそのまま左中間を真っ二つにしバッターランナーは二塁に進んだ。
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