第十七話 甲子園にてその十五
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「どうかしら」
「郭って人は一五〇キロよね」
「一五六だったわ」
まさに超特急だったというのだ。
「そこにコントロールもよかったから」
「本当に化け物みたいな人だったのね」
「そういう人がいてね」
それに加えてだった。
「西武は他にもピッチャーも揃ってたし」
「強かったのね」
「打線も守備も凄かったから」
「無敵だったの?」
「だから黄金時代を築いて何度も日本一になれたのよ」
挙句には西武の日本一は見飽きたという嘆きの声さえ出た。だがその間巨人は西武に野球の違いを見せつけられていた。
「清原もいたから」
「あいつはいらねえな」
美優はこの名前には忌々しげに返した。
「守備も足も駄目だからな」
「三振ばかりするし怪我も多かったし」
景子も言う。忌々しげに。
「あいつはいいわよね」
「態度も悪いからな。ガラも悪いしな」
「評判悪いわよ、神主さんの世界でも」
そもそも関西で巨人の人気はない、大阪出身でありながら巨人に行った清原の人気がある筈もないことだ。
「あいつはね」
「あいつ西武だったらしいけれどな」
「その頃からあんなのだったのかしら」
「いや、これがね」
里香はその清原についても話した。
「西武の頃の清原は守備もよくてね」
「あいつが!?」
「そうだったの」
「足もそこそこ速くて」
現役時代の晩年を観ては信じられないことにだ。
「二桁盗塁とかしてたらしいわ。怪我にも強くて」
「嘘みたいね」
琴乃もその話には唖然となる。
「あいつがそんなのだったなんて」
「そうよね。足の速い清原って」
彩夏もこう言う。
「嘘みたいよね」
「信じられないけれど」
「けれど本当にそうだったのよ」
里香はその彼女達に言う。
「清原も昔はそこそこ走られたのよ」
「しかも守備も出来た」
「怪我にも強かったのね」
「性格も全然違ってね」
つまり何もかもが違っていたというのだ。
「アイドル選手だったらしいわよ」
「ヤクザとかゴロツキじゃなくて?」
琴乃は清原をそう見ていた。
「自称番長のアホじゃなくて」
「新人の頃はそうだったらしいのよ」
西武時代の清原は確かにそうだった。
「本当に球界の将来を背負って立つべき若きスター選手でね」
「それがああなっちまうんだな」
美優はある意味呆然となっていた。
「三振するだけが取り得のゴロツキに」
「なったのよ」
「引退してもあれだからな」
清原は変わらない、悪い意味で。
「あんなのになったんだな」
「そうなのよ。巨人に入ってね」
「というか巨人に入る方が馬鹿だよな」
里香は腕を組み考える顔になって述べた。
「西武のままでいたらよかったのにな」
「私もそう思うわ」
「結局タイトル、バ
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