新たな物語へ
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「ふむ……」
俺は窓の下でイチャイチャしているバカップル(本人たちが聞けば全力で否定するだろうが)を見ながら目の前にあるラーメンをすすった。……微妙な味だな
ぼーっと見ながらラーメンを胃の中へ放り込んでいると目の前でズズッという音が発生したためそちらに目を向ける
「おい……汚いぞ」
「うるさいわよ」
ピシャリと一瞬で切られる。……うるさいのはそっちだと思うがな
「そうですよ。リズ……里香さん、もうちょっと静かに飲んでくださいよ」
俺の向かいの席のもう一人の少女が俺に援護射撃。すると、うだーといった感じでリズ……篠崎里香はため息をつきながら言った
「だってさぁ……あー、キリトの奴、あんなにくっついて……」
「まあ、恋人同士だからな。あいつら」
再び窓からバカップル……キリトとアスナを見下ろす。……あのハンバーガーうまそうだな
「けしからんなあもう、学校であんな……」
「嫉妬か、リズ?」
ニヤニヤ笑いながら里香に言うと案の定顔をしかめるが何も言わない。言い方が違うか。図星だから何も言えないのだろう
「はぁ……」
一つため息をつくと里香は再び外を見始めた。その向かいではシリカ……綾野珪子が目の前に置かれたエビピラフを口にはぐはぐと食べ始めた。小動物みたいで実に癒されるのだが、彼女もキリトを奪おうとしている肉食系女子なのである
「なんか今失礼なことを考えませんでした?リンさん」
女の勘か知らんが図星である
「肉食系女子」
正直に答えると珪子だけでなく里香までもがむせた
「ゴホッゴホッ……あーあ……こんなことなら《一ヶ月休戦協定》なんて結ぶんじゃなかったなあ」
俺の言葉を否定せずに強引に話を変える里香。……認めるんだな
「リズさんが言い出したんじゃないですか!一ヶ月だけあの二人にらぶらぶさせてあげよう、なんて……甘いんですよまったく」
珪子も食い付く。どっちもわかりやすいねぇ
「うし……じゃあ俺は行くわ。ときにシリカよ。頬にご飯つぶついてるから取っとけよ」
そう言って完食したラーメンの器を載せたトレイを持ち、席を立つ。ガールズトークに男があまり参加するべきではないからな。手遅れな感はあるが
完全に余談ではあるがこの学校はネット用語でSAO生還者である学生のために作られたらしい。アスナもそうだが、俺も名前とプレイヤーネームが同じである。……俺にも二つ名がつきました。"黒き導き手"……厨二全開な名前である。事あるごとにそう呼んでくるため、正直疲れる。悪意がないから尚更質が悪い
俺はそう考えてため息をついた
「ため息ついてると幸せが逃げるぜ?"黒き導き手"さんよ」
「てめぇ、わざとだろ」
話しかけ
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