第9話 第何種接近遭遇?
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レー皿に盛られたカレーを見つめてから、彼女の方に視線を移す。
某映画で有名な山の形を象ったマッシュポテトの山を、白米で再現した超デカ盛りカレーと言う代物を、俺は初めて見ましたよ。
第何種接近遭遇とか言う内容を題材にした、古い映画に登場する特徴的な山の形をね。
その小さな身体の何処に入る場所が有るのか、と言う考えが頭に浮かんだのですが、それでも彼女は普通の人間ではないですし、それに、食物を大量に取り込めばそれだけ精気……つまり、霊気に転換出来る部分も大きく成るでしょうから、これは、俺の事を考えた行為でも有るのでしょう。
多分……。
「どうや、美味いか?」
見ている目の前でドンドンと減って行くデカ盛りのカレーと、そのカレーを自らの口に運ぶ彼女を瞳に映しながら、そう問い掛ける俺。
その俺の問い掛けに、真っ直ぐに俺を見つめた後、コクリとひとつ首肯く長門。
ただ、答えを返してくれるのは嬉しいですし、この世界に流されて来てからもずっと、一人でない事も、とても心強い事なのですが……。
それでも、出来る事ならば、言葉にしての答えが欲しいのですが。
何故ならば、このままでは長門の事をずっと見つめていなければ、彼女の答えを知る事が出来なく成り、まるで常に母親の事を瞳に映していなければ不安になる、幼い子供の頃に戻ったような気もして来ますから。
もっとも、今は食事中ですから無暗に声を出して返事をするよりは、長門のように首肯くだけの答えを返す方が行儀の良い方法ですか。
そう思考をポジティブな方向に導いた上で、現在食事中の長門から、夕食の材料の調達の為に召喚したまま、護衛役として現界した状態に成っているハルファスへと視線を向ける。
そして、
「ハルファス。そうしたらすまんけど、長門の部屋用のカーテンを用意して貰えるか」
……と、依頼を行った。
「カーテンで良いのだな、シノブくん」
その、俺の依頼に対して、相変わらずシノブくん扱いの答えの後、ごく一般的なレースのカーテンと、やや厚手の、花柄をあしらった何処の家にも存在している有りふれたカーテンを取り出す元ハルピュイア族の女王ハルファス。
尚、この行為の理由については……。
昨夜、この部屋に俺が顕われてからある程度の霊的防御は施して有ります。が、しかし、肉眼や科学的な方法で覗きを行うデバガメ野郎に対する処置を、この部屋には未だに施して有りません。
そして、カーテンに霊的な保護を掛けて、科学的な方法や肉眼による覗きを晦ませるぐらいは、幻影系の術の基本ですからね。簡単に為せる対処方法だと言う事です。
外から見た場合でも、窓にカーテンが有るのは不自然では有りませんから。
しかし……。
「大丈夫。情報操作は
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