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ヴァレンタインから一週間
第9話  第何種接近遭遇?
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然、容姿などでは無く、考え方の基本や態度などの部分が似て来ると言う事です。
 そこから考えるのならば、長門有希と言う少女型の人工生命体を造り出した存在は、この世界に取ってそう危険な存在だとは思えないのですが……。

 昨夜出会ってから、ずっと傍らに存在し続けて来た彼女の考え方や、俺に対する態度などから判断したのならば。

「そう言う訳やから、出来る事なら温かいトコロに移動したいんやけど、アカンやろうか?」

 そう告げた後、彼女。長門有希がそうするように、俺も彼女を真っ直ぐに見つめる。彼女の答えを待つように……。
 そんな俺の、再びの提案に対して、少し考えてから、二度首を横に振る長門有希。これは、否定。
 しかし、何に対しての否定なのか、理由に思い当たる部分がないのですが……。

 俺の問い掛けに対して否定の表現を行った後、動こうとしない長門。急速に、紅から蒼に支配されつつある世界に、俺と、彼女の作り出した吐息による白が、浮かんではすぐ消える。

 そして、少しの逡巡に等しい時間の後、彼女は真っ直ぐに俺を見つめたまま、

「わたしを助ける必要などない」

 ……と、短くそう告げて来た。
 出会った時に彼女が発して居た、諦観と、寂寥に近い感情を発しながら。

 成るほど。
 少し、眉根を寄せた後、蒼茫と暮れて行く世界に佇む少女を、自らの瞳の中心に映す。

 そして、

「俺の事を心配してくれている事に関しては、素直に感謝する。ありがとうな」

 俺は、最初に感謝の言葉を告げて置いた。
 その言葉に対して、無言で、そして、出会いの最初から変わらない無の表情を浮かべたままの長門が、コクリとひとつ首肯いて答えてくれた。
 多少の陽の気を発しながら。そう、出来る事ならば、こんな答えに対して発して欲しくはない哀しい陽の雰囲気を。

 但し……。

「せやけど、それを決めるのは、オマエさんじゃなくて俺」

 すぐ後に続けた台詞で、彼女の言葉をの全否定を行う俺。そもそも、俺に知り合いの危機を無視しろと言う事を納得させるのは難しい。

 それに、何故、彼女がこんな事を言い出したのかは……何となく想像が付きますが、おそらく、それは間違い。
 おそらく、契約前に俺が彼女に話した、彼女には心や魂が存在している、……と言う部分が彼女には上手く伝わっていない、と言う事でも有るのでしょう。

「俺は、俺が正しいと思った事をやっただけ」

 俺も、彼女を真っ直ぐに、そして色合いの変わって仕舞った瞳に映しながら、そう言った。
 蒼茫と暮れ行く世界に、たった一人で立ち尽くす少女の姿は、儚く、そして……。

「他の誰に命令された訳でもない。俺がそうする事が正しいと思ったから、長門さんと昨夜、式神契約を交わし
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