第二十一話 謀議
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、良く聞け。キュンメル男爵を探れというのはな、親っさんの命令だ。それでも不服か?」
『親っさんの?』
おいおい、素っ頓狂な声を出してるんじゃねえよ。
「そうだ、親っさんはな、何処かの馬鹿がキュンメル男爵を利用して良からぬ事をしようと考えねえかと心配しているんだ」
『良からぬ事って……』
「良からぬ事さ、……例えばだぜ、金髪の暗殺とか」
声を潜めて囁くとギョッとしたような表情を見せた。まだまだ若いな、フレーベル。
『でも、相手は寝たきりの病人ですぜ、爺さん。親っさんの思い過ごしじゃねえんですかい』
「なら良いんだがな、困った事に男爵はお嬢様の親戚だ、金髪が見舞いとか言い出さねえとも限らねえ、そうだろう?」
『……』
考え込んでいるな、よしよし、もうひと押しだ。
「何もねえなら良いんだよ。だがなあ、もし金髪に万一の事が有ったら、お前、ただじゃ済まないぜ」
『ちょっと、爺さん』
「親っさんの警告を無視したことになるからなあ」
『ちょっと、待ってくれよ爺さん、脅すなよ』
おやおや、随分とビビってるじゃねえか。もう少し脅してやるか、ちったあ真面目にやるだろう。
「脅しじゃねえよ。親っさんの怖さはおめえも分かってるだろう。下手を打つとどっかの海賊みてえにブラックホールに叩き込まれるぞ。生ゴミは要らねえってな」
『……生ゴミって』
青くなっていやがる。ここらで締めるか。
「フレーベル、もう一度だけ言うぜ。キュンメル男爵の周囲を見張れ。妙な動きをする奴が居ねえかしっかり調べるんだ」
『……分かりやした』
「こいつは親っさんの命令だ。親っさんをコケにするようなマネはするんじゃねえぞ」
『はい』
よしよし、これで少しは気合を入れなおすだろう。全く、世話の焼ける奴らだぜ……。
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