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SAOもう一人の聖騎士
追想〜戻るべき場所〜

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「カーン、ここだな?」

「ああ、ここだ・・・・・・・ここで、全てが終わるんだ・・・・・・・」

バン!と重厚な扉を蹴破る。誰もいない・・・・・・・訳は無いか。物陰に隠れているが分かるだけも十五人。会った事はないが、カーンの言う通りリオナの姉は相当の屑のようだ。これだけのレッドを雇っているとは少々予想外だったが。

「審判は下された。フィーバータイムのスタートだ!」

動きは素早い。よく統率されているレッド達だ・・・・・・・・だが、審判の騎士(ラダマンテュス)はそれすらも叩き斬る。

「おあぁぁぁぁ!」

盾を構え突撃するカーンに続き突撃する。切り刻まれ、宙を舞うレッド共を踏みつけて進む俺達。

「キリト!先に行け!しっかり仕留めろよ!」

残りの十人程のレッドに向かい振るわれる滅殺剣。黒い剣線がほとばしり脇腹を抉る。顔面を切り裂く。首を切り落とす。滅殺剣三連続技、<ディランオルフェ>。尽きないレッド達を斬り、斬り、斬りまくる。

キリトサイド

巨剣を持つレッドを斬ると、遂に扉の前にたどり着いた。ここか・・・・・・・ここで、全てが終わるのか。

「審判は下された・・・・・・・お前を断罪する」

そこに居たのは一人。彼女・・・・・・・・リオナにそっくりな少女だった。彼女が・・・・・・

「リオナを殺した女・・・・・・・・!」

りぃんと刀身が鳴る。俺の怒りに呼応して鳴る二振りの剣を、構えようとした時・・・・・・

「待って・・・・・・・・!」

彼女に止められた。するり、と寄って来て、俺に語りかけてくる。

「カーンは嘘を吐いているの、私はリオナを殺してなんかいないわ!お願い、信じて・・・・・・・・!」

息がかかる程近くににじり寄り話す。思わず、剣を下ろしてしまった。そのまま・・・・・・・・

ギィン!

彼女がいつの間にか取り出していた短剣をクラディールの滅殺剣が弾いていた。そのまま連撃で短剣を握っていた右腕を切り飛ばす。

「おいおい、こんなあらかさまな色仕掛けに引っ掛かってるんじゃねぇよ。情報は確実だ。俺が仕入れたんだぜ?」

「・・・・・・・ああ、そうだな。」

俺は右の剣を振り上げた。クラディールは左の剣を。

「「死ね」」

蒼く輝く俺の剣と、紅く煌めくクラディールの剣は、同時に心臓を貫き、命を正確に刈り取っていた。

「わ、私は悪くない・・・・・・私より出来のいい、あいつが悪いのよ・・・・・・!私の代わりの癖に、何で・・・・・・!」

「「既に人を殺した奴に、良いも悪いも無ぇよ」」

もうここには俺とクラディールしかいない。もう全てが終わった。8月29日、六十五層攻略直後の事だった。
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