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SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
最後の戦いへのプロローグ
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「偵察隊が、全滅だと?」
「そうだ。この層のボスモンスターに対抗するため、選りすぐりのプレイヤーたち20人を送り込み、うち10人と戦わせたが・・・ユニークスキルを持たぬものには、きつかったか・・・」

 アインクラッド第55層血盟騎士団本部、団長室。

 窓の外を眺める赤衣の男・・・言わず知れずといわれた、最強の男、《神聖剣》ヒースクリフ。
 
 そしてその後ろにたたずむのは・・・漆黒の装備に身を包み、黒い大剣を背負った少年。

 《獣聖》を持つ、《ボスモンスター・テイマー》ハザード。


「・・・脱出不可能にしたのがいけなかったんじゃなかったのか」
「仕方あるまい。ここから先、ああでもしないと面白みがないだろう?」

 
 二人が繰り広げるのは、通常のプレイヤーにはあり得ない会話。


「・・・この先があるのかどうか・・・わからないぞ」
「どういうことだ?」
「あなたの正体を知っているのは、俺と、あなた自身だけではないということだ。おそらくあの二人は・・・否、三人は気付いている」
「ふふふ・・・それも面白いじゃないか。秋也」
「・・・悪趣味だ。晶彦兄さん」

 
                   *

「・・・こんなところに隠れてんのか、お前ら」
「こんなところとはなんだ。意外と住み心地いいんだぞ」

 アインクラッド第27層主街区はずれの村。そのまたはずれに、その家はあった。

 22層にあるどっかの誰かさんの家にそっくりなログハウス。


 そこに来客があった。

 オレンジの髪を持つ、巨大な剣を背負った少年。 《異常存在》シャノン。

 それを迎えるはこの家の主。

 
 黒い髪に、赤いラインの入った黒いコート。 それが彼の正装。と言っても、ここは彼のプレイヤーホームだ。今はコートを着ていない。
 
 その隣には、水色のロングヘアーをなびかせた、美少女が座っていた。おまけに先ほどの少年と腕を組んで座っている。

 《舞刀》カガミ。《星衝剣》アルテミス。

 それが、彼らの名。
 
 あと一人、この場にはいないプレイヤーを合わせて、《トライツイスト》と呼ばれるプレイヤーたち。
 

「・・・ヒースクリフの事なんだけどさ」
 
 シャノンが口を開く。

「俺さ、アイツめちゃくちゃ怪しいと思うんだよねぇ。キリト君とデュエルした時もなんか速かったし」
「俺もそう思うよ。・・・まぁ、確定だろうなぁ・・・」
「「あいつが、茅場晶彦だ」」

 シャノンとカガミがお互いを見て自信満々に言い合う。

「・・・で、どうするんだ」
「たぶん、キリト君も気付いている。次の攻略・・・ボスが、異様に強い」
「・・・偵察隊が、全滅か」
「ああ。
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