第8話 邪神の眷属
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態と関係が無い事が確認出来たら、それだけで問題がないから」
もっとも、あの図書館内に漂っていた違和感の説明も、出来る事ならして欲しいのですが。
図書館の司書達が集団でサボタージュを行い、俺とあの少女の周囲には、他の図書館への訪問者たちが近付く事が一切なく成り、
それでも尚、何故か、奇妙な視線をずっと感じ続けた理由に関しても……。
長門がしばらく俺を見つめた後に、ふるふると首を横に振る。これは否定。
そして、
「彼女が、今回の事件に直接関わりが有るかどうかについては不明」
……と短く答えた。
これは、一番厄介なタイプの答えが為されたと言う事ですか。普通に考えると、俺のような異世界からの訪問者が関わり、更に、天魔ラゴウ悪大星君などと言う飛び切りの邪神が関わっている事件の当事者となる人間など早々存在しません。
しかし、この質問に対する長門の答えは不明。
これは、場合によっては、彼女が関係している可能性も否定出来ないと言う事。
つまり、あの少女は普通の少女などではない、と言う事ですか。
「確かに、彼女の言葉には言霊に似た何かが籠められていた。普通の人間の言葉にも、多少の強制力のような物が働く事も有るけど……」
俺があの時に感じたままを言葉にして告げる。但し……。
「それでも、あの少女からは邪悪な雰囲気を感じる事は無かった。
ならば、彼女に関わりが有るとしても、彼女を排除しなければならないような事態には至らない。そう考えても問題ないんやろう?」
これが、俺があの少女から覚えた感覚。確かに、彼女は妙な雰囲気を漂わせていたけど、邪悪と言う雰囲気では有りませんでしたから。
俺のこの問いに対して、無言で首肯く長門。そして、
「彼女……。涼宮ハルヒは、貴方が巻き込まれている事態に直接関係している可能性は低い」
そう答えてくれる長門。どんな理由が有って話せないのか理由は判りませんが、それでも、ここまで説明してくれたら問題はないでしょう。
「そうか。ならば問題はないな」
彼女の言葉を疑う理由はないし、それならば、これはこれで良いでしょう。間接的に関わって居る可能性が否定出来ない、と言う事だとは思いますが、あの少女が、直接ラゴウ星を召喚しようと企んでいる訳でないのなら、問題はないと思いますしね。
俺の言葉が意外だったのか、少し驚いたような気を長門は発したのですが、それでも表情は変わらず。ただ紅く冷たい世界の中心で、その深い湖に例えられる瞳に俺を映すだけで有った。
刹那。周囲の雰囲気が変わった。
刻一刻とその高度を落とし、その勢いを弱めていた夕陽が揺らぎ、高層マンションの屋上を吹き抜ける冷たい風が止まり、そして、周囲が音を失っ
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