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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第九話「ペット発見!」
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キョトンとした顔で俺を見上げた。
「行く宛がないのだろう? なら家にいればいい。幸いこのマンション、ペットは大丈夫だから、狐が一匹いたところで珍しがられる程度だろう」
「なっ……、なにを急に言い出すんですかあなたは! 第一、私をここに置いたところであなたにとってなんの利益にもなりませんよ。それどころか、私を狙う妖たちに襲われてもいいんですか? 人間のあなたが相手ではどう転んでも殺されますよ!?」
その言葉を聞いた俺は思わず笑ってしまった。
「あ、あなたは何を笑っているんですか! 折角、私が警告をして差し上げたというのに――」
「ああ、違う違う。君を馬鹿にしたんじゃないよ、むしろ逆さ。うん、やっぱり君には是が非でもうちの子になってもらおう。勿論、君が望まないのならこの話は無かったことにするが、俺としては是非ともうちに来てほしいな」
「……何が目的ですか?」
疑わしい目でジーっとこちらを見つめる小狐に苦笑する。
「なにも? ただ、強いて言えば君が気に入ったから、かな」
自身が置かれた状況下においても、俺が妖に襲われるのではとこちらを気遣うその心。それだけでも、優しい子なのだと分かる。
――それに、同じく拾われた身としては、やはり放ってはおけないからな。
朱染に引き取られなければ、記憶も戻らずにそのまま死んでいたかもしれない。かつての自分に重ねるわけではないが、俺とこの子は似ていると感じた。
「襲ってくる妖云々については心配無用だ。こう見えて腕には自信があるのでね、大抵の妖には負けないと自負している」
身動ぎもせずに黙してこちらを見上げる小狐の頭を撫でる。
「だからまあ、俺が守ってやるから心配するな」
† † †
――一体、この人間は何なのだろうか?
私がただの狐でなく妖であると承知の上で接触してきたという人間。人語を解する私を気味悪がらずに面白そうに眺めるだけの人間なんて始めて見た。
群れを出た私を襲う妖たちはこぞって私の妖気を狙っていた。私の持つ妖気は彼らより多く、しかもその持ち主が己より弱そうな小狐なのだから、競うように私の命を狙ってくる。
幸い生まれついて妖気の扱いに長けていた私は小手技を駆使しながら場所を転々としていた。
人間たちは誰もが私を化け物だと罵り、石を投げつける。あるところでは村総出で討伐しようとしてきたこともあった。
――もう誰も信じない……。独りで意地でも生きてみせる。
いつしかそう思うようになっ
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