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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第九話「ペット発見!」
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「――? 何故ですか? 人間というのは妖怪を嫌っているのでは?」
席を立った俺は自分の紅茶を入れながら、その疑問に答えた。
「確かに人間の中には妖怪を嫌っている人も多い。いや、妖怪を好いている人は少ないと言った方が正しいか。理解できないものは自ずと排他的な視線で見ることが多い。それは確かだ」
紅茶で喉を潤す。
「しかし、まあ何事にも例外というのは存在してね。俺に関してはその限りではない。何しろ一時期は妖怪と一緒に生活していたからな。それもバンパイアと」
「えっ!? バンパイアって……【力の大妖】の、あのバンパイアですか!?」
驚愕で目を見開く狐に苦笑する。
「そう、そのバンパイアだ。ちょっとした縁で知り合ってね。だからというわけではないが、俺は妖怪に対する偏見も差別も持ち合わせていないんだ。だから君が妖怪というだけで追い出すことも、ましてや殺すなんてこともないから、その辺に関しては安心してほしい」
「……信じられません」
「なにもすぐに信じろとは言わないさ。それこそ無茶ってものだからな。まあ、頭の片隅に入れておけばいい」
「……」
納得がいかない様子でこちらをジーッと見つめる小狐に俺は肩を竦めた。
「それで? 今度は君のことを話してくれると嬉しいのだが?」
小狐はしばし葛藤していたようだが、やがて固い口を開いた。
「……いいでしょう。なら、まずは私の生い立ちについて話します」
小狐が語り出した話というのは漫画や小説などでよく耳にする内容だった。
普通の野生狐の両親から生まれた小狐は自分の尻尾や毛色が皆と違う理由から、両親に見捨てられ、群れから追い出された。
まだ生後間もない小狐は通常ならそのまま死に絶えるはずが、生まれてすぐに自身の持つ力――『妖力』を操る術を身に付けていたため、なんとか生き長らえることが出来ていたらしい。
「けれど、私の持つ妖力は他の妖怪からしてみれば極上の餌に見えるようで、行く先々で襲われました」
産れて間もない赤子が大人に叶う筈もなく、襲い掛かる妖怪から逃れ、自身の身を守るだけで精いっぱいだった。
そして、傷つきながら安住の地を探し求めること一カ月、あの公園に辿り着いたらしい。
――排他的なのは、人間だけの話ではないのだな……。
「……私の話は以上です。これで満足ですか?」
「なるほどね……。大体の事情は分かった。先程も言ったが、こちらとしては君を害するつもりはない。まあ、今は何をいっても信じられないだろうから、これからの生活を通じて分かっていけばいいさ」
そう言うと、小狐は
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