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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第九話「ペット発見!」
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虚ろな目で差し出した今回の目標物を受け取り、俺はついでに記憶操作で男の記憶を細部まで操り意図的に記憶喪失にした。人格にまで影響を与えたため先程から「ここはどこ? 僕はだれ?」を連呼している。ピュアな目をしているからもうあのような人格者になることはないだろう。二度と同じ道を歩むことが無いことを祈ろう。
〈空間跳躍〉で依頼主のところに戻った俺は物を渡し報酬を受け取る。これで依頼は達成だ。
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
「もう悪徳な話に乗らないように。泣きを見るのは、あなたよりも子供たちなのですから」
「はいっ!」
何度も頭を下げる中年の女の人に手を振り俺はそのまま自宅まで跳躍した。
「ふぅ……、これで少しは余裕ができたな」
びっしりと詰まったスケジュール帳には当分の予定は入っていなかった。ここ最近、裏の仕事を立て続けに入れていたため、息抜きも兼ねて旅行に行くのもいいかもしれないな。前々から北海道に行ってみたかったから、これを機に行くか。
「そうと決まったら早速予約を入れないと。早いところだともう埋まっているかもしれん」
飛行機を一機予約した俺は知り合いが経営している旅館に電話を掛ける。
「ああ、女将さん? お久しぶりです、須藤です。その節はどうも。……いえいえ、そんな。あれからどうですか? ……そうですか、それはよかった。また何かあったら連絡してください。電話一本で駆けつけますので。――っと、それより予約の方いいですか? はい、宿泊を。そうですね、一泊二日でお願いします。……わかりました。十時にそちらに向かいますので。ええ、よろしくお願いします」
女将さんとは仕事で知り合い、以降懇意にしてもらっているお得意様の一人だ。只でいいと本人は言っているが、それは流石に気が咎めるので、こうして予約を優先的に受け付けてもらっている。
「さて、予約も取れたことだし、荷造りを――ん?」
ふとマンションの外から強大な妖気を感じた。殺意や憎悪といった負の気配は感じないが、この妖気は低級妖怪とは比べものにならない。下手すれば大妖クラスのそれだ。
「はぁ、休暇が決まった途端にこれか……。放っておくわけにもいかないし、一応見てくるか」
人間を害するような奴なら、ついでに狩っておこう。
そんな物騒なことを考えながらマンションの外に出て歩くこと五分。妖気は近場の公園から漂っていた。
――さて、鬼が出るか蛇が出るか……。
気を引き締め、人気がないのを確認した俺は茂みを掻き分け
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