第一章 無印編
第十七話 『決戦! 虹色の輝き、迸る極光!』
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
雷撃の渦の中をまるで何事もなかったかのように突き進む。
いや、短剣が通る道だけ魔法がすべて掻き消されているのだ。
そしてなお暴走をしているプレシアの腹部にそれが当たったと認識したシホは、
「破戒すべき全ての符!!」
その短剣の真名を開放した。
この歪な短剣はキャスター…メディアの「裏切りの魔女」たる象徴が具現化した宝具。
初級魔術から魔法まであらゆる魔術効果を打ち消してしまう、最強の対魔術礼装。
それを受けたプレシアは「ビクンッ!」と体を震わせた次にはそのまま地面に崩れ落ちた。
それでプレシアから一切の魔力反応がなくなり当たり一面に飛び散っていた雷撃もすべて消え去った。
それを確認したフェイトは「母さん!」と叫びながらプレシアに駆け寄った。
「…僕の予想だけどついさっきの短剣は…ゲイ・ジャルグと同じく魔力の効果を打ち消してしまうものと見たが?」
「そう…まぁ今しがたの光景を見ればその効果なんてすぐに検証できるでしょうね。
ついでに言うけどジュエルシードとの繋がりも多分断ち切ったからもう暴走することはないわ」
「…本当に君には頭が上がらないな。これでもう次元震は起こる事はないだろう。感謝する」
シホは「そんなことは別にいいわよ」とクロノに言おうとしたが、そこで先に向かっていったフェイト達。
特にフェイトの叫び声が聞こえた。
それでシホとクロノは向かうとプレシアの心臓部が見るも無残に破裂していた。
そのせいでプレシアは息も耐え耐えに呼吸を繰り返していた。
「これは…!」
シホはこのような事態を予想していなかった為にあせるが、隣にいたクロノが、
「…おそらく、ジュエルシードを制御していた装置が膨大な魔力に耐え切れずに機能を停止して壊れたんだろう…」
「それじゃ私は…結果的に。ごめんなさい、フェイト…今更謝れる義理じゃないけど…」
「シホが気に病まないでいいよ。きっと…しょうがなかったんだよ」
「でも…私は直接ではないにしても…」
シホの言葉に後悔の念が込められている。
しかしそこでまだ息があったプレシアはフェイトの方を向く。
「…アリ、シア?」
「えっ…?」
プレシアはフェイトに向かって確かに『アリシア』と言ってフェイトの頬に手を伸ばす。
おそらくもう思考がうまく回っていなくてフェイトをアリシアと完全に勘違いしているようだ。
「目を、覚ましてくれたのね…アリシア」
「母さん…私は…」
「フェイト…プレシアの最後の願いだからそれを叶えてあげて…」
「…うん…」
シホの一言でフェイトはアリシアを演じることにした。
それから少しの間、フェイトとプレシアは仮初とはいえ本当の家族になれたのだ。
そしてプレシアは最後に、
「ごめん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ