第5章 契約
第50話 吸血姫
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とも、これ以上は、ガリアの為政者でない俺が知る必要などない話でしょう。
まして、これ以上、彼女をこんな魑魅魍魎の蠢く世界に置いて……。
言う事を聞かなくなった自らの婿は排除出来たとしても、流石に自らの娘は。
尚、以前に排除されたオルレアン邸にて雇われ、タバサの母親の世話を行っていた人間達の多くは、旧ガスコーニュ侯爵所縁の者だったようです。
そうしたら、次。
この東薔薇騎士団のクーデター騒ぎを起こしている間に、アルビオンとトリステインとの間に紛争が発生しました。
事の発端は、アンリエッタ王女と、ゲルマニアのヴィルヘルム王子との結婚を祝して送り込まれて来た艦隊同士の小競り合いから、ラ・ロシェールをアルビオン軍が占拠する事態と成ったのですが……。
しかし、七月、第一週、虚無の曜日。本来ならば、結婚式が大々的に行われるはずで有った日に行われた決戦に敗れたアルビオン軍は、結局、一度、橋頭堡として確保したラ・ロシェールの地から追い出されて、そのまま本国に追い返されて仕舞いました。
更に、東薔薇騎士団が招き入れようとした外国の軍隊と言うのは、どうやら、そのアルビオン軍だったような気配が有るのですが……。
ただ、所詮はタバサの使い魔でしかない俺では得られる情報が少な過ぎて、すべては憶測に過ぎないので、何とも言えないのが事実です。
しかし、ポルトーとは、ガリアでも有数の港町で有り、かの街の上空は、アルビオンの周回して来る範囲内にも入っています。
それで、ガリア王家に付いては。
怠惰王と呼ばれているガリア王は確かに存在して居り、そして、即位してから一年の後に、狩猟中の事故により命を落とし、その後を継いだのは、その弟のシャルル一世。後の世では敬虔王シャルル一世と呼ばれた人物でした。尚、彼の功績はシテ河の治水を行い、リュティスに下水を完備した事で名を遺した人物だったのですが……。
ただ、既に千年以上前の王なので正確な記述もなく。まして、弟で有るにも関わらず兄の怠惰王よりも十歳年長で有った、とか、実は怠惰王の異母兄で有ったとか、実は母親の連れ子で有って、そもそもガリア王家の血を引いていなかった、……と言う怪しげな伝承の付き纏う人物でも有りました。
まして、彼の代の時に、ガリアの所領はかなり狭められて居り、今よりはかなり小さな国だった事も確かなので……。
それで、下水や川の治水工事には、地の精霊の手助けが無ければ、当時の技術ではかなり難しかったはずなのですが、あのブランシュー伯爵の言葉を信じるのならば、当時から、ガリアは大地の精霊の加護を失っていたはずなのですが……。
もっとも、今と成っては、そんな事を調べ上げたとしても無意味ですか。
ど
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