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100年後の管理局
第三話 星軽、壊砲
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元世界を一撃で焦土に変えることは無理でも、一つの国を一撃で焦土に変えることは十分に可能な砲撃魔導師。
そして、それを今見せつけられている。
心にはもう何も浮かばない。
白い最終兵器が、桜色の太陽でもって、星を軽く壊すに足る一撃を放つのをただゆっくり見守るだけだった。


「これが俺の全力全開―――!」
誠也はレイジングハートを振り上げる。
男は動かない。
逃げるそぶりもなく、防御するそぶりもない。その表情にはただただあきらめだけがあった。
そんな男を見ても誠也は止まらない。
ここでこの魔法を解除すれば男は逃げると、自分自身に言い聞かせて。そんなことはないと心のどこかで理解していながら。
こみあげてくる愉悦をかみしめ、自分の全力を振るうことに集中する。
『ちょっと待て!ふざけんな!本当にやめろ!』
耳元でグレイルの声が聞こえる。
でも無視。全力で無視。
滅多に振るう機会のない、自分の全力。
逃してなるものかと、心に決意する。
「スターライト―――、」
『やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!』
どんな制止でも、誠也はもう止まれない。
「ブレイカ―――!!!!」

桜色の奔流が放たれる。


スターライトブレイカー。
かつてのエースオブエース、高町なのはが作り出した集束砲撃魔法。
本当の名前は『星の(スターライト)』に集束砲(ブレイカー)を足したもので『星光集束砲』とでも言うべきなのだが、今の管理局においてその名前は意味が異なる。
誠也の放つスターライトブレイカーのあまりの威力の高さに、『(スター)を軽く(ライト)壊せる(ブレイク)砲撃』と揶揄されこう称されるようになった。

『星軽壊砲』と………。

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