第103話:私たち、結婚します!(1)
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けどさ・・・。
そっちに帰るときに、母さんたちに会ってもらいたい人がいるから
連れて行ってもいいかな」
『え? 会わせたい人って・・・ひょっとして、ゲオルグの大切な人?』
「まあ、そうだね。 で、いいかな?」
『もちろんよ! ぜひ連れていらっしゃい!』
「ありがとう。じゃあ、週末に」
『ええ、楽しみにしてるわね』
電話を切ると、俺は大きく息を吐いた。
電話の声を聞く限りは母さんは喜んでいるようだった。
やはり緊張していたようで、肩に入っていた力が抜けた。
「ゲオルグくん」
声のした部屋の入り口の方を見ると、なのはが立っていた。
「ヴィヴィオはもう寝たのか?」
「うん」
なのはは俺の質問に頷くと、部屋の中に入ってきて俺の隣に腰を下ろした。
「実家に電話してたの?」
「うん、母さんにね。俺の大切な人を連れていくって話したよ」
「そうなんだ・・・。お母さんはなんて?」
「声だけ聞けば喜んでるみたいだったよ。ぜひ連れて来いってさ」
「そっか・・・」
なのはは小さくそう言うと、俺の肩に頭を乗せてきた。
「わたしやヴィヴィオのことを受け入れてくれるといいな・・・」
「大丈夫だよ。ただ、姉ちゃんには注意が必要だけどな」
俺がそう言うと、俺に体を預けているなのはがわずかに顔を動かした。
「どういうこと?」
なのはの声には不安の色が感じられた。
「ヴィヴィオに姉ちゃんを ”おばさん”って呼ばせないようにしないと」
俺が笑いながらそう言うと、なのはは一瞬目を見開いて俺を見た。
その直後、なのはは声を上げて笑った
「じゃあ、ヴィヴィオにはきちんと言っておかないとね」
「まあ、そうだな」
俺は苦笑しながらなのはに向かって肩をすくめた。
・・・次の週末。
俺は車になのはとヴィヴィオを乗せて、実家に向かった。
前になのはと実家の外まで来た時と同じコインパーキングに車を止めると、
3人で手をつないで実家に向かう。
最初は楽しそうに会話をしていたなのはとヴィヴィオだったが、
家が近づいてくると、だんだん無口になっていく。
家の前まで来ると、俺の手を握るヴィヴィオの手の力が強くなったのを感じた。
ヴィヴィオの顔を見ると、不安げに俺の顔を見上げていた。
「どうした、ヴィヴィオ?」
俺は片方の手を握ったまま、ヴィヴィオの前にしゃがむ。
「あのね、おばあちゃんやおじいちゃんは、ヴィヴィオと会えて
喜んでくれるかな?」
「大丈夫。ヴィヴィオのことを喜んで迎えてくれるはずだよ」
そう言ってヴィヴィオの頭を少し乱暴になでると、ヴィヴィオは
少し表情を和らげつ
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