第103話:私たち、結婚します!(1)
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の目を見開く。
「ヴィヴィオも・・・」
なのはは小さくそう言って目線を落とす。
信号が変わり車を発進させた時、なのはが口を開く。
「そうだね。ヴィヴィオも連れて行ってあげないと、ダメだね」
「よし。じゃあ、帰ったらヴィヴィオに話をしようか」
「うん!」
なのはの笑顔が、大きく縦に揺れた。
家に帰り、3人での夕食終えた後、ヴィヴィオに週末のことを話すことにした。
俺が食卓から運んだ食器をキッチンのシンクに積みあげていると、
なのはがヴィヴィオに話をし始める声が聞こえてきた。
「ヴィヴィオ。今度のお休みはお出かけするからね」
「お出かけ?」
カウンター越しに見ると、食卓の椅子にちょこんと座っているヴィヴィオが
こくんと首を傾げていた。
「そうだよ。ゲオルグくんの実家にね」
「パパの・・・じっか?」
キッチンから食卓に戻ると、なのはと向かい合ってさっきとは逆の方向に
首をかしげているヴィヴィオの姿が目に入った。
「ママ・・・じっかってなに?」
「えっとね、ゲオルグくんが子供のころに住んでた家っていうか・・・
うーん・・・」
なのはが説明に困っているようなので、助け船を出すことにする。
「ヴィヴィオ。実家ってのは俺のパパやママがいるところだよ」
「パパのパパとママ?」
ヴィヴィオはそう言って俺の顔をまじまじと見つめる。
「じゃあ、ヴィヴィオのおじいちゃんとおばあちゃん?」
ヴィヴィオの言葉に俺はハッとさせられた。
ヴィヴィオが俺の娘なら、父さんや母さんはヴィヴィオの祖父母なのだ。
言われてみれば当然のことなのだが、ヴィヴィオに言われるまで
全く認識できていなかった。
「・・・そうだな。おじいちゃんとおばあちゃんに会いに行こう」
「うんっ!」
ヴィヴィオは満面の笑みを浮かべて大きく頷いた。
「さ、もう寝る時間だよ。ヴィヴィオ」
なのはがそう言うと、ヴィヴィオは不服なのか口をとがらせる。
「えーっ、まだ眠くないよ」
「ダメ。明日もママたちはお仕事なんだから、ヴィヴィオも
アイナさんの家に行かなきゃでしょ。寝坊したら大変だからもう寝ようね」
「じゃあ、絵本よんで」
「いいよ。じゃあ、いこっか」
ヴィヴィオは無言で頷くと、なのはに手をひかれて2人の寝室へと入った。
俺は、キッチンに戻って夕食で使った食器を食洗機に入れると、
自分の部屋に戻った。
ベッドに腰掛け、電話を手に取ると実家に電話をかける。
『はい、シュミットです』
「あ、母さん? ゲオルグだけど」
『あら、どうしたの? こんな時間に』
「うん。実は今度の週末なんだ
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