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【完結】剣製の魔法少女戦記
第一章 無印編
第十六話      『なのはとフェイトの決着。そして真相、怒り』
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の死と悲しみに耐えて乗り越えてきた人はたくさんいる。その歳月をもあなたは無意味にしようとしている。
…失ったその痛みを抱えて前に向けて進んでいくのが唯一の失われたものの残す道だというのがどうしてわからないの!?」
「うるさい…! 黙りなさい!」
「いいえ、言わせてもらうわ。
さっきもいったけどあなたはフェイトやアリシアに理想を押し付けているだけ。
どれだけあなたがアリシアの事を理解しているのかは私にもわからないわ。
だけどどこまでいっても真には迫れない。真に本物なんて一生に一度だけの命そのものなんだから。
だからあなたの理想はどこまでいっても都合のいいものでしかない!
そしてこれが最後…あなたはその歪んだ理想で今もアリシア・テスタロッサを苦しめ殺し続けている。
あなたのその悲しい想いに同情すべき点は確かにあるわ…。
でも、だからこそ私は…あなたの身勝手な理想を止めるために、あなたを…プレシア・テスタロッサを倒すわ」

そう宣言した。

「…いいたい事はそれだけ? そう。それなら来なさい。相手になってあげるわ。
未知の魔法というものにも興味はあったけど…もういい。
管理局より、そこの人形よりも…真っ先に殺してあげるわ…このガキが!」

そこでモニターが一瞬だがぶれてしまいプレシアは後ろを向きアリシアの体が入っている容器を引き上げて玉座まで歩き出した。
私は一息つくとフィアが近寄ってきた。

「お姉様…これを」
「フィア…?」

フィアがハンカチを差し出してきた。
何事かと思って…ああ、今の今まで気づかなかった。
私は泣いていたんだ。

「ありがとう、フィア…」
「いえ。それよりお姉様…無茶をしないでくださいね?
お姉様の心の叫びがリンカーコアを通して私にも伝わってきました」
「ごめんなさい…そこまで気が回らなくて…」

でも、こんな事をプレシアに言ったけどこの先、私は言った言葉を返上してプレシアと同じ事をしようとする事になるなんて思いもしなかった。まだ、先の話だけどね…。


◆◇―――――――――◇◆


Side リンディ・ハラオウン


シホさん、すごいわね…。
冷静な娘だと思っていたけど心のうちはとても激情なところもあったのね。
泣きながらもプレシアと遣り合っていた姿はクルー全員の涙を誘うほどだった。
そしてシホさんのいう神秘という概念や本物の魔法…。
そしてプレシアに語った残された者の悲しみの数々…あれはきっとシホさんにも当てはまる言葉。
こちらに飛ばされる前にどれだけ彼女は失ったのだろうか…?
クロノよりも見た目歳は下だというのに彼女はどのような地獄を見てきたのか…?
考えるだけで私の涙腺が緩む。
でも今は現場指揮官として泣くことはできない!


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