暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第一部第二章 銀河の群星その三
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
にいた黒い軍服の衛兵達が敬礼をする。見れば若者が着ている制服と同じだ。
(どういうことだ。服を変えたとは聞いていないが)
 彼はそれを見て内心そう思った。だが口には出さなかった。
「閣下はおられますか」
 彼はそれを置いておいて衛兵に尋ねた。
「中におられます」
 衛兵は答えた。そして扉を開けた。
「閣下、日本の八条義統軍務大臣が来られました」
 そして部屋の中にいる人物に対して言った。
「はい、ご苦労さん」
 部屋の中にいる人物はいささか大統領に相応しくないのではないかというようなざっくばらんな言葉で答えた。連合の言語は多くの国家から成るが一つに統一されている。英語や中国語、スペイン語、アラビア語、日本語等多くの言語が混在した結果出来たもので『連合語』と言われている。若しくは『銀河語』ともいう。アルファベットと漢字その他の文字が混在しているがわかりやすい文法と発音のしやすさ、応用力の高さで知られている。多くの国家から成る連合にとって実によくあった言語だと言われている。尚エウロパはラテン語から発生した欧州各国の言語を再び統一させた新ラテン語と言うべき『エウロパ語』を、サハラは昔ながらのアラビア語を使っている。
 銀河語はフランクな表現が多いことでも知られている。だがこの人物の言葉は特にそれが凄い。元々開拓民の出身のせいもあるが彼は飾ったことを好まなかったのだ。
 彼の名はラゴス=キロモト。前述のとおり連合の大統領である。
 ケニアの開拓民に生まれた。彼の家は開拓された広い農場を持っておりそこの九人兄弟の七番目として生まれた。彼の住む開拓星は宇宙海賊もおらず平和な状況であった。彼はこのままいけばごく普通の農民として一生を過ごしたであろう。だが子供の頃にホノグラフィテレビで見た軍人の姿を見たことが彼の一生を変えた。
 彼は早速両親に軍人になりたいと言った。両親はそんな彼に対しなりたいならまずは身体を鍛えよく勉強し正しい心を身に着けろと言った。
 彼はそれに従った。学生時代は地元の学校でスポーツに、勉学に励んだ。後輩の面倒見もよく慕われていた。
 高校卒業後彼は軍隊に入隊した。士官学校を受けたが落ちたので下士官候補生となった。これは将校への道も約束された軍では地位の高いコースであった。
 彼はそこで頭角を現わした。それを見た上官達は彼に士官学校を再度受けるよう薦めたが彼は断った。彼はまず下士官で軍を知ることを望んだのだ。
 彼は陸戦部隊となった。そこで宇宙海賊達を相手に戦勲を挙げ士官に抜擢された。そして今度は陸戦部隊の指揮官となった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ