第一幕その八
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ンなのであった。つまりは三男なのだ。
「その方です」
「私にとっては願ってもない方」
爵位の関係と礼儀作法のうえからへりくだっての言葉であった。
「実はこの娘もその縁者ですし」
「おや、貴族の」
「彼の遠い親戚なのです。帝国騎士の娘でして」
「そうなのですか」
「ですから側に置いています」
こうも述べた。
「おわかりですね」
「お言葉ですが奥様」
釘を刺す夫人に対して反論する。
「私はこれでも貴族であるつもりなので女性に対しては紳士であるつもりです」
「本当ですか?」
「女性にかけるのは言葉だけ」
ここはあくまで強調してきた。それが彼のもう一つの誇りであるようだ。
「腕力にも策にも訴えるようなことは決してしませんので」
「その言葉信じさせてもらいます」
「是非共。レルヒェナウ家の名にかけて」
「ではレルヒェナウ男爵」
あえて彼をその名で呼んでみせてのあらたな言葉であった。
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