第一幕その七
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で千の娘に声をかける」
ジュピターは好色な神である。少なくともそれで有名である。
「それもまたよしですがな」
「ですが花には時として棘がある」
そっと薔薇を出してきた。
「御気をつけあそばせ」
「中々きついお言葉で」
流石に今の言葉にはさしもの男爵も動きを止めた。
「では自慢はこの位にしておきます」
「はい。そういうことで」
「しかしですな」
言った側からまた言う男爵であった。中々めげない御仁ではある。
「奥様、このメイドですが」
「マリアンデルが何か」
「私の花嫁の側に置きたいのですが」
「どうしてまたそれを」
「見れば賢そうな娘です」
一応はそれを理由にした。しかし目が好色そうなそれになっていたのであまり説得力はない。
「ですから是非」
「あちらにももう側にいる娘達がいますが」
「それでもです」
だが彼はまだ言う。負けはしない。
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